セレロウッドはインフィニティ系。オルエボとは全然似ていない。

2017年に国内でも発売されたSTIGAのセレロウッド。

「オールラウンドエボリューションのステップアップに」みたいな売り文句がついているけれど、自分はあまり似ていないラケットだなと思う。

STIGAの中で似ているのはインフィニティVPS

2枚目に硬い板を挟んだVPSテクノロジーとやらをどちらも搭載しているし、打感はそれなりに似ている。
インフィニティのカチカチな感じをだいぶ和らげた感じが、セレロウッド。
球離れは早い。
さらに、セレロウッドは板厚が5.5mmと薄いのでしなりもある。
ただ5.5mmから想像するほどはしならない。


オルエボとは全然違う系統なんだよなあ…。

ちなみにオルエボのステップアップという売り文句は日本のSTIGAカタログにしか書かれておらず、海外のカタログでは確認できません。

オルエボのステップアップをSTIGAラケットで選ぶなら、色々すっ飛ばしてクリッパーウッドに行くしかないのかなと思います。

オルエボとクリッパーウッドの中間ラケットがあればいいんですけどね。

本物の個性の作り方〜手塚崚馬選手に学ぶ〜

「個性を出したくて粘着貼ってます」
「個性を出したくて極薄にしました」

わりとよく聞くフレーズですね。
自分の殻を破りたくて、道具で個性を演出する人。

あんまり強くない中高生や、道具マニアの20代〜30代の男によくいる傾向。
何を隠そう自分もこういうタイプです…。

本物の個性の作り方

2017年の全中男子シングルス王者、手塚崚馬(中3)。

中1の時の全中で3位に進出するも、その後伸び悩んだ手塚君は「個性」で勝負することを選ぶ。
エリート男子の王道、両ハンドドライブ型を捨てて、前陣ミート型に転向しちゃったのだ。

今時は国内トップレベルのジュニア勢ではまず見られない珍しいスタイル。
なお手塚君本人が考案したわけではなく、明徳義塾中の監督の勧め。
80年代に中国代表だったタン・イという選手を参考にしたそう。

監督からの提案を受け入れ、前陣スマッシュを極める決意をした手塚君。
徹底して前陣を死守して、上から叩くスタイルをひたすら練習でやり込む。

そうして作り上げたスタイルが最後となる全中で爆発。
愛工大附属に5連続で勝利し、見事頂点に立っちゃいました。

これぞ本当の「個性」の作り方だなあと感心する。


ラバーをちょこっと変えたとか、戦術を変えたとか、そんな安易な個性ってあんまり通用しないですよね。

手塚君のように、競技人生をかけたスタイル変更こそ、本物の個性になる。
勝利に繋がる本物の個性になる。
そんな印象を受けました。

最強の2018年世界卓球日本代表を考える

2018年世界卓球選手権ハルムスタッド大会の最強の日本代表布陣を考えてみたいと思います。

ルールを確認

世界卓球団体戦のメンバーは5人まで登録できて、1試合に3人出場です。

A 2試合
B 2試合
C 1試合
って感じの出場数。

Cが3番手に出ます。

男子

A 水谷
B 張本
C 丹羽
リザーブ 大島、マツケン

2016代表からは吉村兄が抜けて、張本が入った感じです。

1試合だけ出る枠を、丹羽か大島が争う感じでしょうか。

2016年の時はVICTAS移籍直後でラバー変更の影響もあり丹羽は絶不調。
トーナメントに入ってからは大島がCになり、丹羽リザーブに甘んじていました。
今回は順当に丹羽でしょう。

あっさり決まっちゃいましたね。

とにかく張本君の登場が大きいです。
若いエース張本、精神的支柱水谷、大物食い丹羽。

この布陣ならもしかしたら中国にも…と思わせてくれるワクワク感ありますよね。

女子は悩ましい

まず石川、平野、伊藤は当然確定。

残り2人は順当にいけば早田、加藤美優かな。
世界ランキング的にもこの5人が上位です。

ここまでは簡単。
試合に出る3人も基本は石川、平野、伊藤でしょう。

で、誰がCに回るかが難しい…。

ちなみに2016年はこんな感じでした。

A 石川
B 福原か伊藤
C 伊藤か福原

福原と伊藤が試合ごとにBとCを入れ替わってましたね。
予選ではずっと福原がBだったんですが、確か予選最終戦ドイツで2点落としちゃって、そこから決勝トーナメントは伊藤がBになったはず。
決勝の対中国はまた福原がBに戻ってました。

まあとにかく石川という絶対エースがいましたからね。
2016世界卓球もリオも、石川の存在感は抜群でした。

でも今は状況がガラッと変わりました。
石川、平野、伊藤は甲乙がつけづらい存在になっちゃってます。


中国に勝てるかどうか、という観点で考えたら以下かな。
勝てる可能性がほんの少しでもあるのは、平野と石川でしょう。

A 平野
B 伊藤
C 石川

ただ、全体的な安定感で考えると、石川はまだまだ2点出て欲しいし気もする…。

相当悩ましいですね。
過去最高に人材が豊富な日本女子ですが、絶対的エースがいないのが心配です。

卓球レポート最後の表紙は誰が飾るのか

卓球レポートの休刊が迫っています。
休刊は2018年4月号(3月20日発売)。

現在発売されている岸本選手が表紙のは2018年2月号。
あと2号で休刊です。

3月号は今年度の全日本関係の表紙だと思うので、
気になるのは最後の4月号の表紙が誰になるのかというところ。

何と言っても歴史ある卓球レポートの最終号です。
編集者は、日本の卓球界へのメッセージを込めるんじゃないかなと。
適当な人選はしないでしょう。

個人的な予想は、水谷と張本のダブル表紙。

これまで日本の男子卓球を孤軍奮闘で支えてきた水谷。
名実共に日本のエースとなり、打倒中国を見据える張本。

同じバタフライ契約のこの2人こそ、最後の表紙にふさわしいでしょう。

2018.1.21、全日本決勝。あの水谷が白旗をあげる張本君の強さ

2017年度の全日本卓球選手権も終わりました。

寂しいですねえ。
最終日は朝から夕方まで最高に楽しめました。

今大会も色々と印象的なゲームはありました。
ただ、最後の最後で、それらの好ゲームが全部記憶からぶっ飛ぶぐらいの男子決勝。

張本智和14歳。
凄すぎる。

普段自分は「張本君」って呼んでるんだけど、日本チャンピオンにそんな呼称は失礼かな?

弱いと言われてたフォアは水谷と互角に打ち合ってるし、
バックブロックは水谷が可哀想なぐらいえげつなく振り回すし、
フォアフリックはバシバシ決まるし。

ここ1年で少年ジャンプの主人公みたいに信じがたい成長っぷり。
見事に日本の頂点に立っちゃいました。

「東京で金」の可能性が、おぼろげながら現実味を帯びてきたような気もします。

まあ現状では個人でも団体でも可能性は10%以下ぐらいだとは思いますが。
少なくとも0じゃないなと。

それにしても張本君のゲームは面白い。

水谷みたいなラリータイプじゃないし。
前の方でプレーしてはいるけど、丹羽や松平のような前陣速攻とはまた違う。
バックブロックで振り回すけど、サムソノフタイプとは言えないし。

なかなか分類が難しいタイプですね。


試合が終わって真っ先にお父さんに抱きつきに行くところはいいですね…。
不覚にもうるっと来ちゃいました。

中2の男子なんて、普通は親父との関係がこじれだす頃です。
卓球を通しての深い親子の絆があるんでしょうね。
素晴らしいです。

水谷も白旗をあげる始末

最後に水谷の会見を。
あの水谷がこんな事を言うなんて…。
かなり衝撃的です。

卓球王国WEB | 速報>平成29年度全日本選手権大会速報

今日の彼のプレーが特別なものではなく、普段どおりの実力なら、これから何回やってもボクは勝てない

今日の張本は去年の全日本選手権や、世界選手権よりも数倍強かったし、僕以外の日本選手も勝てないですね

純粋に、張本が出てくる前に自分がたくさん優勝しておいて良かったと思いました。

今後もう張本には勝てない可能性が高いと、完全に白旗を上げています。
あの水谷がそんな事を言うなんて、卓球ファンならみんな驚きますよね。

張本がいる限り、水谷のV10達成は相当に厳しい。
そう思わざるをえない男子決勝でした。

でも水谷からすれば、団体戦で強力なチームメイトが現れたという喜びは大きいでしょう。
「張本と一緒なら、打倒中国という夢が見られる」なんて思ってるかも。

とにもかくにも、張本君という軸ができて、日本男子の未来は明るそうです。
4つ下には松島輝空(そら)という逸材も控えていますしね。

新世界ランキングシステム導入

あけましておめでとうございます。

2018年1月から世界ランキングの算出システムが変わりました。
そのおかげで、上位陣は奇妙な顔ぶれになっています。

男子

1 オフチャロフ(ドイツ)
2 樊振東(中国)
3 ボル(ドイツ)
4 林高遠(中国)
5 許昕(中国)
6 丹羽
7 馬龍(中国) ← 15金、16金、17金
7 黄鎮廷(香港)
9 ゴジ(フランス)
10 松平健太

女子

1 陳夢(中国)
2 朱雨玲(中国)
3 馮天薇(シンガポール)
4 石川
5 伊藤
6 平野
7 鄭怡静(台湾)
8 王曼昱(中国)
9 杜凱栞(香港)
10陳幸同(中国)

21丁寧(中国) ← 15金、16金、17金



うーん…。

注目すべきはやはり馬龍と丁寧。
なんたって15年世界選手権、16年リオ、17年世界選手権のシングルスを優勝しているんですから。
まさに最強の2人のはずなのに、軒並み下位に下がっちゃってるのは辛いものを感じますね。

こんなの世界ランキングとは呼べないじゃん!っていう批判も結構あるみたいです。

ワールドツアーにあまり出ない中国トップ選手のポイントは、今後あまり上がらなくなりそう。
グランプリファイナルとかワールドカップもそれなりに大きな大会かもしれませんが、やっぱり卓球の華は世界選手権とオリンピック。
もう少し評価してポイントを底上げしてくれないと、今後もちょっとアレなランキングが続きそうです。

初心者向けラバーに柔らかすぎるのはダメ?

・初心者はパワーが無いので、なるべく柔らかいラバーがいい
・柔らかいラバーの方がコントロールがいい

ってよく聞くフレーズ。
自分は正直あんまり同意できません。
プラボールになってからボールが硬くなり、余計にそう思うのかも。

初心者向けラバーは、
「それなりに硬くて、あまり弾まないラバー」
がベストだと感じています。


柔らかすぎる弊害をいくつかあげてみます。

・打った時の感触がよくわからない
ぐにゃっと食い込むから打った時のボールとラバーの状況がわかりづらい。

・手打ちになる
当てるだけでそれなりに飛ぶので手打ちになる。

・ツッツキが飛びすぎる

ってところでしょうか。


それなりに硬いラバーは「ミートっぽく打った」「擦った」「食い込んだ」というのがわかりやすいメリットがあります。
初心者向けだからこそ、適度に硬い必要がありそうです。

とは言え、スポンジもラバー(ゴム)のどっちも硬いと球離れが早すぎます。
スポンジは硬く、ラバーは食い込みがいいのがベストでしょうね。

初心者向けラバー

ってことで今初心者に勧めるなら以下のようなラバーになります。

・ヴェガイントロ ← 特にこれ
・ヴェンタスベーシック
・マークV(バック)

特にヴェガイントロ。
これは本当にいいです。
本格的なドライブマンを目指す男子のフォア面には鉄板に近いと思います。

飛び、引っ掛かりのバランスが最高です。
引っ掛かりに関してはヴェガヨーロより上っぽいです。
ちゃんと弧線を描くし、でも飛び過ぎないので収まってくれます。
凄くいいです。安いし。

唯一の欠点は重さ。
コルベルみたいに重くて面が大きいラケットを使ってる中1にはちょっと辛く感じるかもしれないので、指導者や親がちゃんと測って欲しいと思います。


ヴェガヨーロみたいにスポンジもラバーもグニャグニャのを貼っちゃうと、上達の妨げになるんじゃないですかね。
ちょっと前まではヨーロもいいラバーだと思ってましたが、今はちょっと印象悪くなりました。
ニッタクプラボール時代に、グニャグニャ系ラバーは初心者は避けるべき。

スポンジは硬くて、ラバーはちょっと柔らかめ。
これが感覚をつかむには一番適してそうです。
ヴェガだったらアジアになるんだけど、あれはちょっと飛びすぎる。

イントロから始めて、飛距離やスピードが足らなくなったらアジアやファクティブっていう流れが、今後の中学生男子のメインストリームになりそうです。