ヤサカの「ハイブリッドエナジー」に見るマーケティング力の無さ

卓球王国を見る度にヤサカの広告で首を傾げる単語があります。

それが「ハイブリッドエナジー型ラバー」

いまだにこれが何なのか、さっぱりわかりません。自分以上に用具オタクの人はたくさんいるでしょうが、たぶんハイブリッドエナジー型ラバーが何なのか、ちゃんと説明できる人はヤサカの中の人以外にいないんじゃないか。

そのぐらいハイブリッドエナジー型ラバーって、謎単語なんですよ。

「テンションラバー」でいいじゃん。テンションなんでしょ?なんで変な呼び方するんでしょうか。テンション以上のものではないのに、なぜテンションじゃなくてハイブリッドエナジーとか変な呼び方するんだろう。

ヤサカの謎キャッチフレーズに見る商売下手さ

バタフライが先鞭をつけた「テンションラバー」とか、かっこたるブランドを築いた「スプリングスポンジ」とか。道具マニアじゃなくても知ってる単語あるじゃないですか。ありゃバタフライの自社開発技術力、ブランド力、マーケティング力の賜物です。

でもヤサカって何か色々な名前つけるわりに、実態がさっぱりわからんのですよ。ほぼ自社開発じゃないし。

・ハイブリッドエナジー…グリップ力の高いトップシートにテンションスポンジを組み合わせたもの
・STS(Spin Tension System)…反発力を重視しながらも回転のかけ易さを併せ持つ
・JP HYBRID…天然ゴム主体で高いグリップ力とスピン性能を持つトップシートに、高いテンション効果のあるスポンジを組み合わせた新テクノロジー
・NSS…ノンスリップシート

いやいや。
わけわからないでしょ。

これがユーザーに浸透すると思ってるんでしょうか。ヤサカのラバー広告見ても、はてなマークしか浮かばんのですよ。変なカタカナ語ばっか溢れてて。

ヤサカのラバー買う人は、こういう謎カタカナ語なんて見向きもしないと思いますよ。むしろ嫌悪感を示すんじゃないか。カタカナ語はバタフライに任せとけばいいと思いますよ。

もっと堅実なアピールの方が絶対にいいです。めちゃくちゃ革新的な技術ならともかく、全然そういうわけじゃなくて他のメーカーと横並びなんですから。

ニッタクやTSPも謎カタカナ語作ったりするし、カタログではちょいちょい痛いカタカナ語をアピールしたりしてます。特にちょっと前までのTPSはヤサカに近かった。OTCとか意味不明。

でも卓球王国の見開き広告では、謎カタカナ語は抑えてたんですよね。「一般ユーザーが見てもわけわからんだろう」って判断をしたんだと思います。賢明です。

最近のニッタクのファクティブの広告とか、あれいいですよ。刺さる人にはめっちゃ刺さりますもん。ラバーに搭載されたテクノロジーなんて、ユーザーはあんまり興味ないんですよ。

ヤサカはもっと別のアピールが向いている

マークVとかライガンに代表されるような、一般卓球愛好家ドンピシャの性能&価格を持った商品力をアピールするとか、他メーカーより良心的な値付けをアピールするとか。絶対にそっち路線の方が支持されますって。ライガンとか最高じゃないですか、あれで3700円って。マジで最高ですよ。いちいちハイブリッドエナジー型ラバーなんて謎単語、いらんですよ。そんなカタカナなくても、ライガンの商品力は十分アピールできるはず。

初心者〜初級者は性能が高すぎるラバーではなく、ライガンを使うことで地に足のついた技術が身につくとか。安いから3ヶ月スパンでどんどん新しいラバーに買い換えられて練習がはかどるとか。そういう方向で広告はアピールした方がいいですよ。「ハイブリッドエナジー型ラバー!」とか「日本とドイツ技術の融合!」とか、誰も食いつかないですよ。

カタログや王国の広告を見ていても、ヤサカだけ国内大手4社(バタフライ、ニッタク、ヴィクタス/TSP、ヤサカ)の中でマーケティング力が劣ってる気がします。ヤサカさん、もっと違う路線で自社をアピールしましょう。