最近卓球を見始めた人が勘違いしている3つのこと

卓球がブームだそうです。このあいだなんて、ジャンクスポーツで卓球が大特集されていてビックリ。そんな時代になったんですねえ。

そんなこんなで卓球ファンも増えつつあるようですが、ちょっと皆さん勘違いしていることがいくつかあると思いますよ。テレビ関係者も含めて、間違えやすい卓球知識を紹介したいと思います。

スマッシュとドライブをごっちゃにする

よくわかっていない人の誤解:
強く打ったボール→スマッシュ

違います。全然違います。

現代卓球では、強く打ったボールの大半が「ドライブ」です。ドライブっていうのはボールの後ろを少しこすりあげるような打ち方をする、現代卓球のスタンダード打法です。ラケットのスイング方向が少しでも下から上になっていたら、それはドライブです。

それに対してスマッシュというのは、あまりボールに回転をかけない打法。後ろから前に打つので、ドライブとは全然違うんです。

男子卓球だとスマッシュはほとんど打っていません。「強く打つ=スマッシュ」というのは間違っています。

チキータとバックハンドドライブをごっちゃにする

よくわかっていない人の誤解:
バック側で強く打つ→チキータ

違います。全然違います。

この誤解の原因は、完全にテレビです。数年前からテレビがチキータをこぞって取り上げるようになり、テレビ関係者もチキータをよくわかってないので、間違った解説をしまくってるんです。

たんなるバックハンドドライブを、チキータと言っている例が多すぎるんですよねえ。

水谷隼が人格者、爽やか

よくわかっていない人の誤解:
水谷隼→めっちゃいい人!優しそう!爽やか!

水谷が爽やかなんて、7年ぐらい卓球見ている人だったらまず思わないですよね。ちょっと前まで爽やかキャラなんていうタイプじゃかったですよ水谷は。

2016年リオオリンピックの前までの水谷隼のイメージってこんな感じでした。
・チームメイトに超毒舌
・シニカル
・ニヒル

嫌な奴とは言わないけど、けっして爽やかタイプではなかった。「日本男子は俺しか戦っていない。他の奴は何もしていない。俺とレベルの差がありすぎる。やる気が感じられない。」みたいなことを言うタイプだったんですよね。

まあ実際言ってる通り、水谷以外はホントあかんかった。それを卓球ファンもわかっていたから、水谷隼を嫌っている人はほとんどいませんでしたけどね。孤軍奮闘するかわいそうな水谷、みたいな見方だった。

でも今の「爽やか水谷」っていうイメージとはかけ離れていたのも事実。

特にロンドンオリンピック(2012)前後は、辛辣なことを言いまくってましたし、メダルを取ったリオ(2016)ですら、卓球王国のインタビューとか見ると団体メンバー丹羽・吉村への苦言が凄い。凄いんですよホント。そこまで言って大丈夫なの?みたいな。

年齢を重ねて少し丸くなったのか、あるいは張本のように団体戦で頼れる人がようやく出てきたからなのか。最近の水谷はあんまりキツイこと言わなくなってきましたね。変わりました。

多分、張本の効果が大きいんだと思います。張本が頭角を現してきた頃、水谷はめちゃくちゃ嬉しそうでしたから。ようやくいいのが出てきてくれた、これで東京は戦える!みたいなことをウキウキしながら言ってましたもん。もう自分が嫌われ者になって苦言を言わなくても大丈夫だと判断したんでしょう。

…なんかだいぶ話がそれましたが、とにかくちょっと前までの水谷は、爽やかさとは真逆の毒舌さんだったんです。

まあ今の爽やか(っぽい)水谷も嫌いじゃないですが、自分は昔の水谷も大好きです。水谷がいたからこそ、ああやって毒舌でガンガン言いまくってくれたからこそ、今の日本男子があるとすら思ってるぐらいです。


というわけで、最近卓球を見始めた人がよく誤解している3つの点について書いてみました。ほとんど水谷の事になっちゃったけど笑

まとめ:水谷最高

初年度のTリーグレギュラーシーズンが終了!MVPは?

Tリーグのレギュラーシーズン全日程が終了。岡山、埼玉の頑張りによって意外と激戦になった男子Tリーグも、木下マイスター東京が1位でファイナルに進出することになりました。

木下vs岡山の1位争いは直接対決のヴィクトリーマッチにまでもつれこむ熱い展開。しかも水谷が2-7と負けているところからひっくり返す神試合で、やっぱり水谷すごいですね。

全日程が終了したので個人的なMVPなどを作ってみたいと思います。

MVP

男子のMVPは水谷

張本とどっちにするか誰もが迷うところでしょう。シングルスの戦績だけで見ると張本のほうが頑張っている。

張本:17勝6敗
水谷:14勝5敗

ただほとんどダブルスに出なかった張本に対して、チーム唯一の左としてダブルスも出ずっぱりだった水谷の貢献度がチームNo.1でしょう。ダブルスまで含めると張本17勝、水谷21勝。実際の公式MVPは張本になるかもしれませんが、個人的には水谷ということで。

女子のMVPは石川佳純

女子は石川佳純。
シングルス16勝5敗で勝利数はリーグトップ、ダブルスも3勝1敗と1位通過チームを牽引しました。

何より1位チームの「顔」として石川佳純が加入したのは集客力の観点からも大きいです。実は石川佳純は最後の最後、ギリギリで木下に加入してるんですよね。それまで神奈川アビエルは、Sランク(世界トップ10相当)の選手がTリーグ8チーム中唯一いませんでした。

石川佳純の加入で「石川vs平野/早田」みたいな構図もできて、女子の盛り上がりにかなり貢献しています。

2位以下のチームからの準MVP

男子は岡山リベッツの森薗政崇。

彼がいなかったら岡山はダブルスであんなに勝てていないし、木下が早々に独走して味気ないリーグになっていたはず。ダブルスのスペシャリストかつ左利きの森薗政崇がTリーグに与えた影響は大きいです。来年はどのチームもダブルス強化してくるでしょう。

女子は早田ひな。シングルス11戦全勝でした。Tリーグ効果もあったのか、全日本では3位、年明けもITTFチャレンジプラスでリュウシブンらを破って優勝するなど、東京オリンピックに向けて幸先のいいスタートを切っています。チームメイトの平野美宇にとっては、東京オリンピック枠をめぐって強力なライバルとなった感があります。

貢献度は同じチームの常 晨晨の方が大きいかな?ダブルスで16勝5敗と無双しました。

途中加入で衝撃を与えたで賞

男子は岡山リベッツの林 昀儒(リン ユンジュ)。

若干17歳の台湾次期エースで、2月10日に初試合ながら、そこから3勝3敗。張本をストレートで破り、最終戦では水谷をギリギリまで追い込むなど鮮烈な印象を残しました。もっと早く林が加入していれば…と岡山ファンも悔しがっているかもしれません。ルックス的にも女性が飛びつきそう。宇田幸矢と顔が似てるんですよね。

次点は木下の侯 英超。クセ球カットマンでいきなり3連勝。その後はちょっと対策されて負けが続いていますが、髪の毛を後ろに束ねる特徴的な風貌も合わせて衝撃でした。林との見た目ギャップが凄い。

女子は…誰だろう。ハンインとか?無しでお願いします。

パフォーマンス賞

吉村 和弘にパフォーマンス賞をあげたいと思います。勝った後に見せる通称「和弘ポーズ」が定着しつつあります。パフォーマンスだけでなく、いいところで大物食いを見せてくれた吉村和弘。世界卓球の日本代表にも選出されて今一番熱い男です。


地元からの大声援だったで賞

張本美和(木下アビエル)。
ご存知張本の妹にして、まだ小学4年生。地元の仙台で両親が運営する卓球クラブで練習をしている10歳です。

そんな張本美和のデビュー戦が地元仙台だったのは、おそらく監督の粋なはからいでしょう。観客席から同じ卓球クラブの子供たちが選手タオルを掲げて大声援を送っていました。


さあ両国でファイナルだ!

予想以上に盛り上がりを見せた初年度のTリーグも、残すところはファイナルだけになりました。

男子は木下が優勢でしょう。ダブルスを落としてもその後しっかり3点取れるラインナップ。水谷、張本、侯の3人かな?ダブルスに水谷が出るらしいので、ヴィクトリーマッチは張本でしょうか。

岡山はダブルスを取る前提で、吉村和弘、イサンスが2点取れるか。ちなみに林は出られないそうです。木下がベストメンバー組むと、ちょっと苦しいですね。

女子は甲乙つけがたいですが、ベストメンバーであれば日本生命が有利か。ダブルスは日本生命がかなり強いので、後は早田と平野で2点取れるかどうかですね。ちょっと平野の調子が上がらないのが気になりますが…。

木下アビエルは石川佳純と袁雪嬌のシングルスで2点取って、ヴィクトリーマッチで再度石川という展開かな。

3月17日、ぜひ皆さん両国orテレビで観戦しましょう!

「ビスカリア」がバタフライから復刻!価格は2.5倍であえて選ぶ必要はないラケットか?

アリレートカーボンの先駆けとなった名ラケット「ビスカリア」が、日本国内で再発売されました。価格は廃盤前の10000円から25000円と2.5倍になっています。お高いですねえ。

https://www.butterfly.co.jp/products/detail/30041.html

トップ選手から謎の人気を集めていたビスカリア

ビスカリアはバタフライの素材系ラケットで一番人気のアリレートカーボンが入った、アウターラケットです。今ではアリレートカーボンは珍しくも何ともありませんが、当時は革新的な感じの扱いだったんですよね。

ビスカリアが日本で普通に売られている当時、実は全然人気がありませんでした。かなり地味な扱いで、一般選手もトップ選手からもあまり選ばれずに消えていった感じがあります。

チャンジーカによって再発見されて人気に

ビスカリアの人気は中国のチャンジーカが使い始めたことが原因です。性能はともかくとして、チャンジーカにはグリップがすごくフィットしていたよう。今でもビスカリアのグリップは評価が高いです。

チャンジーカは2010年頃から世界のトップに上り詰め、それにともないビスカリアの人気も高まります。今ではビスカリアとほぼ同じ構成のラケットが多数ラインナップに並ぶにも関わらず、わざわざ海外からビスカリアを取り寄せて使う人まで現れる始末。

謎の人気っぷりでしたね。

現在は林高遠や平野美宇などがビスカリアを使用

ビスカリアは中国の林高遠が常時使っているほか、石川佳純も現在はビスカリアです。他の日本トップ選手もお試しでちょこちょこ使っているのを目撃されています。早田ひなも一時期ビスカリアを使っていました。

去年12月のグランドファイナルからは、平野美宇もビスカリアに乗り換えたようです。長年STIGAのクリッパーウッドだったんですが、さらなる弾みを求めたんでしょうか?

最近の不調はクリッパーからビスカリアに乗り換えたのも原因じゃないかと心配しています。クリッパーウッドとビスカリアはだいぶフィーリング違いますから。まずはインナーカーボンを使った方がいいような気がしてなりません。

以下の画像は今年1月の全日本。今後もビスカリアを使い続けるんでしょうか?


・林高遠
石川佳純(以前はインナーフォースレイヤーALC)
平野美宇(以前はクリッパーウッド)

ビスカリア(2019)の仕様

価格 25000円+税(今年からバタフライのラケットはオープン価格をやめて定価に戻りました)
発売日 2019年4月1日
平均重量 86g

ブレード構成

ブレード構成:5枚合板+アリレートカーボン(アウター)

ブレードサイズ:157×150mm

ブレード厚:5.8mm

リレートカーボンはアウター部分に配置されています。

ちなみにティモボルALC、張継科ALC松平健太ALCと全く同じ板構成になっています。
ビスカリアが元祖で、ティモボルALCなどが同じ板構成で発売されたので当たり前といえば当たり前です。

グリップはフレアとストレートのみの発売

グリップサイズ(長さ×厚×エンド幅)

フレア(FL):100×25×34mm
ストレート(ST):100×23×28mm

アナトミックはありません。アナトミック欲しいなら張継科 ALCにしておきましょう。

ビスカリアのグリップはコルベルっぽくちょっと平べったい

ビスカリアのグリップはちょっと平べったく感じる人が多いです。バタフライのちょっと前の看板ラケット「コルベル」のグリップを、ほんの少しだけ厚くしたような感じでしょうか。

私はコルベルの打感が好きなんですが、どうもあのグリップは好きになれない。平べったいのはいいけど、ちょっと薄すぎるんですよね。ビスカリアはコルベルからプラス1mm程度厚みがあるグリップなので、手が大きい人は握りやすく感じるでしょう。

レンズのデザインは当時の雰囲気そのまま

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レンズのデザインがレトロっていうか、古いっていうか。
多分10代〜20代の感覚では「ダサい」って思うでしょう。
私もちょっとこれは今時無いんじゃないかと感じます。

まあビスカリアを使う選手層は見た目とかどうでもよくて、とにかく性能重視なのでこれでもいいんでしょうか。
かっこいいレンズデザインでリメイクして欲しかった気もします。

ビスカリアはどんな人に向いている?

張継科ALCみたいな選手モデルは避けたいけど、アウターのアリレートが欲しいっていう人にはいいでしょう。でも一般選手があえて選ぶラケットではないです。

上級者であれば性能的には特に問題なく使えます。
ただティモボルALCあたりより高い価格をあえて選ぶ価値があるのか?というのは疑問が残ります。
グリップが相当フィットするのならビスカリアという選択肢もあるでしょう。

中級者のビスカリアは△〜○

中級者は「アウターのアリレートカーボン」という性質を理解した上で、選ぶようにしてください。
たいていの場合はインナーのアリレートカーボン(インナーレイヤーALCなど)が適しています。

初級者にビスカリアは×

初級者は全く無縁のラケット。
全国トップレベルとかじゃない限り、小中学生が選ぶようなものではないです。
全国トップでも選ばないかな。

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まとめ:ビスカリアは一部のマニア向け

ぶっちゃけ一般選手が選ぶものじゃないです。おすすめはしづらい。

同じ板構成ラケットが他にたくさんあり、そちらのほうが価格も安く、デザインもいい。
あえて元祖ビスカリアを選ぶメリットは薄いです。

「0.3mm程度グリップ形状が違うだけでプレーに影響が出る」みたいなトップ選手向けでしょうね。
あとは昔使っていたので懐かしくて買っちゃう人や、ラケット収集家。

一般ユーザーはあまり飛びつくものじゃないという感じ、それが2019年に再販されたビスカリアです。

早田ひながチャレンジプラス ポルトガルオープン優勝。東京五輪ランク4番手に

ITTFチャレンジプラスってのは、ワールドツアーのちょっと下の大会。賞金も世界ランクポイントも少なめ。

・ワールドツアー プラチナ
・ワールドツアー
・チャレンジプラス ←ここ
・チャレンジ

2019年のチャレンジプラス開催大会は以下の通り。

2月 ポルトガルオープン
3月 オマーンオープン
7月 平壌オープン
8月 ナイジェリアオープン
9月 パラグアイオープン
12月 カナダオープン

ただ今年のポルトガルオープンは結構派手なメンツが揃いました。男子は林高遠やサムソノフ。そして女子はリュウシブンを筆頭に日本女子の中堅クラス(早田ひな、加藤、芝田、橋本)がこぞって出場しました。


そんな中で早田ひなが3回戦で劉詩ブン(リュウシブン)を破り、決勝では橋本を下して優勝しました。

www.youtube.com

いやあリュウシブンに勝っちゃいましたか。4-2です。リュウシブンは2018年のスウェーデンオープンで伊藤美誠に敗れて以来の海外選手敗戦。

チャレンジプラスの優勝ポイントは1100なので、自分の認識が正しければ、東京選考ポイントでは日本人4番手ってことなります。

東京オリンピック選考レースは、基本的に2019年の世界大会のポイントだけが有効になりますが、例外として2018年の世界卓球団体戦のポイントだけは入ります。

石川、伊藤、平野の主力3選手は2018年団体戦でそれぞれ2250、2000、1500を獲得。早田も一応出ていたんですが出番があんまり無かったので250ポイントのみ。ただ今回の勝利で1100を上積みで合計1350ってことになります。

石川 2250
伊藤 2000
平野 1500
早田 1100+250=1350

全日本では石川を破り3位、そしてポルトガルオープンでの優勝。東京オリンピックに向けて、早田ひなの快進撃が始まりました。

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【Tリーグ】弱者の戦略「ダブルス勝負」

Tリーグ男子の首位と2位の勝ち点差がついに「2」に。首位の木下が1試合少ないとはいえ、ここまで岡山が追い上げてくるとは思いませんでした。

2/16の直接対決ではなんと岡山4-0木下。張本がいながらこの結果は驚きです。

弱者は鉄板ダブルスペアを作るしかない

岡山がここまで木下に食い下がっている要因は、もちろんダブルスの強さ。吉村和弘がここぞという場面で勝っているのも大きいけれど、やっぱり岡山のベースはダブルスなんですよね。

森薗政崇&上田という鉄板ペアがいて、まず負けないから岡山は木下に食い下がれている。

琉球、日本ペイント、名古屋はダブルス勝負するしかない

男子は琉球、女子は日本ペイントと名古屋が勝点を伸ばせずにいます。このまま戦力的に大幅変更がなければ、来シーズンも苦戦は必至でしょう。特に女子の2チームは、もうちょっと頑張ってもらわないとTリーグ全体のレベルにも関わる。

かといって有力選手を引っ張ってくるのは簡単じゃない。国内のめぼしいところだと伊藤美誠ぐらいしか残っていないし、中国トップ層は100%無理。ヨーロッパ勢はそもそも人材があんまりいないし、いても時差の影響で厳しい。

ってことで、ダブルスの必勝ペアを作るのが手っ取り早い弱者の戦略だと思うんですよ。ダブルス専用の選手を入れて、とにかくペアを固定。もちろん左右ペアで。

ダブルスのことを考えてチーム作りをすれば、弱者でもそれなりに勝点は拾えると思うんですよねえ。逆に言えばダブルスで勝たないと、木下(男女)とか日本生命には勝てない。

木下マイスターの苦戦の背景はダブルス軽視

男子が意外と勝ち点差が開かずに木下が苦戦しちゃってるのは、紛れもなくダブルス軽視のツケが回っているからです。以前も書きましたが、チームで左が水谷だけですからね。

水谷が若いならともかく30歳なのにダブルスに出てシングルスも出るなんて、そらちょっと厳しいですよ。シングルスて取りこぼしが多いのは、疲労が原因な側面が大きいはず。

今のTリーグのシステムで弱者が強者に勝つにはダブルスにかけるしかない。それが一番コスパに優れた勝負の仕方だと思います。

ダブルスのいい感じのペアをリストアップ

とはいえ、ダブルス強者もそんなにゴロゴロころがっているわけじゃない。まだTリーグ未加入でダブルスうまそうな選手は・・・

橋本&佐藤瞳のカットマンコンビ

ミキハウス所属のカットマンダブルス。シングルスでも強いし、日本ペイントあたりに2人一緒に加入すれば面白そう。無理か。ミキハウスがTリーグに加入してくれればなあ・・・。芝田沙希や四天王寺中高勢も一緒に参加できて、盛り上がると思うんですけど。元ミキハウスの平野早矢香、愛ちゃんも何らかの形で関われるし。

伊藤美誠

世界最強のダブルスの名手じゃないでしょうか。大魔王さまが入るならシングルスも強いし、一石二鳥すぎる。ただ来年はオリンピック選考レースの真っ只中なので無理っぽいです。早くて2020年シーズンからでしょう。

なかなか新規人材の発掘は難しいですね。

現有戦力でもダブルスペアを固定すれば勝負になるのでは?

とにかく毎試合ペアを変えたら勝てるものも勝てなくなる。木下や日本生命はそれでもいいのかもしれないけど、他のチームが同じことやっちゃダメ。契約の関係で出たり出なかったりの海外選手をダブルスに据えるのもダメ。いつも出る日本人同士で組ませるべき。

・・・なんてことはどのチームも当然気づいてるはずなので、来年の新戦力情報に期待です。ダブルスを重視した観点で新加入選手を見定めるでしょう。

まあ一番恐れているのは木下(男女)もダブルスに力を入れちゃって、向かうところ敵なしになっちゃうことなんですが。

2019/2/2、2/3のTリーグまとめ

2/2 小学4年生がTリーグデビュー(木下アビエルvs日本生命)

木下アビエル神奈川の張本美和選手(小学4年生)が、地元仙台でTリーグデビューを果たしました。
ごぞんじ怪物・張本兄の妹。

森園美月ペアでトップバッターのダブルス出場。

観客席には張本卓球場(仙台ジュニアクラブ)の子供が大勢つめかけ、普段一緒に練習している張本美和選手に大声援を送っていました。

いやーいいねえ。すばらしい光景だ。あえて地元仙台でデビューさせたんでしょうね。

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試合は1ゲーム先取するも、逆転負け。でも美和選手本人にとっても、日本卓球界にとっても、貴重な貴重な試合になったんじゃないでしょうか。

ちなみに今までのTリーグ最年少出場記録は男子は張本兄(中3)、女子は木原(中2)だったんですが、張本妹が小4で塗り替えちゃいました。もうこれ10年は抜かれないんじゃないか。

2/2 木下マイスター4連敗!一気に勝点差が6に縮まる 木下マイスターvsT.T彩たま

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ついに木下マイスターが4連敗で、2位の埼玉と勝ち点差が6に縮まりました。

直前で張本・大島が出ないアナウンスがあって、北海道のファンは落胆したでしょう。
波乱は水谷vs戸上。
最終ゲームでデュース連発でもつれにもつれて、最後は戸上WIN!
全日本ジュニアチャンピオンが金星をあげました。

これで木下は辛くなった。張本がいればまだ巻き返せたんでしょうが、1-3で敗戦。

独走状態だった木下も、あれよあれよの4連敗で、ついに埼玉とは勝点が6(2試合でひっくり返る)まで詰まってしまいました。面白くなってきた!

2/3 やばいカットマン侯おじさん 木下マイスターvs岡山リベッツ

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やばいカットマンがTリーグに加入しました。前日デビュー戦も勝利していた侯 英超(ホウエイチョウ)。38歳。中国出身の185cmの大型カットマンです。38歳。髪型も独特な38歳。Tリーグ最年少の張本美和(11歳)の3倍近くの年齢。

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第2マッチで吉田 雅己をストレートで下し、ビクトリーマッチではイサンスを11-9。これで3連勝負けなし。やばいカットマンおじさんがTリーグに現れました。

プラボールになってから男子カットマンは絶滅寸前ですが、侯 英超みたいな選手がいるとカット打ちのいい経験になりますね。

木下はもし負けてたら5連敗で大変なことになってました。まさに救世主・侯 英超。さらに選手層が厚くなってしまった木下マイスター。優勝に向けてまた加速するんでしょうか。

岡山リベッツが勝ってれば大混戦だっただけに、ちょっと残念・・・。

個人的な今週のMVP

MVP・・・侯 英超
敢闘賞・・・戸上、張本美和

2008年の日本男子代表につけられたキャッチフレーズ

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https://www.tv-tokyo.co.jp/takkyu_08/ より

昔のテレビ東京は、すぐ選手にキャッチフレーズをつけていた。なにもテレビ東京に限らず、他社のバレー中継とか世界陸上とか、とにかく選手にキャッチフレーズをつけるのが流行っていた時代。

そこで2008年世界卓球の日本男子代表5人のキャッチフレーズを振り返ってみようと思う。()内は当時の世界ランクと年齢。

韓陽(17位 30歳) ・・・卓球台風

のっけからよくわからない。卓球台風ってどういうことなんだ。

韓陽は当時のエースで2008年大会は全勝している。強い。でも卓球台風ってどういう意味なのかさっぱりわかりません。Googleで検索してもさっぱり情報が出てこない。

水谷隼(29位 19歳)・・・若き至宝

これはわかる。世界ランクは2番手だが、すでに全日本で連勝し始めた頃で韓陽とはダブルエースといった感じだったかな。19歳でエース格なら「若き至宝」とつけたくなる。

吉田海偉(52位 27歳)・・・攻撃龍

「攻撃龍」と来たか。うん。なんというかコメントしづらい。

無難ではあるけど、捻りが無い。卓球台風みたいに首を傾げるわけじゃないけど、むちゃくちゃ納得するわけでもない。次にいこう。

岸川聖也(64位 21歳)・・・沈黙の牙狼

「沈黙の牙狼(ちんもくのがろ)」

うわー!
出ました、これですよ。これぞキャッチフレーズですよ。これキャッチフレーズの付け方の教科書だと思うんですよ。

「特徴」 + 「厨二っぽい言葉」

この組み合わせこそがキャッチフレーズとして王道じゃないですかね。
岸川といえばちょっと静か。クール。ポーカーフェイス。つまり「沈黙」という特徴をまず最初に持ってきている。

そして「牙狼」。何の意味も無い言葉だし、岸川は全然狼っぽくないっていうかむしろ羊っぽいキャラなんだけど、キャッチフレーズには厨二っぽい言葉が必要だから何だって良いんですよ。羊だろうが狼だろうが、厨二っぽければ。

「特徴 + 厨二単語」という作り方でいえば、水谷の若き至宝も当てはまっている。

19歳で将来が嘱望されている=若き
厨二単語=至宝

完璧ですね。
こういう風に作ればいいんですよキャッチフレーズは。

大矢英俊(169位 20歳)・・・吠える剛球

これもいい感じ。

吠える → 大矢はマジで吠える。もう特徴そのまんま。フォームの汚さか、吠えるところどっちかをキャッチフレーズに入れてあげたいので、正解。

剛球 → うん、まあ厨二単語っぽいし、いいんじゃないでしょうか。剛球かどうかはここでは問題じゃない。いかに厨二っぽさで締めるかですから。

思わぬ収穫だった

いやー、これ我ながら思わぬ収穫でした。ただのネタ記事で終わるかと思いきや、いいキャッチフレーズの付け方メカニズムが明らかになるとは。

他にも卓球選手につけられたキャッチフレーズを見てみる。

怒濤のペンドライブ
疾風のバックハンド
流星バックドライブ

これは厨二 + 特徴(得意技術)という組み合わせ。

スマッシュの宝石箱

これも厨二 + 特徴(得意技術)という組み合わせだけど、厨二単語にひとひねり加えている。おそらくスマッシュにも色んな種類があって、何が出てくるかわからんぜーみたいな。

ちなみに誰につけられたキャッチフレーズなのか調べたら、岸川聖也・・・・・・・・。なんで??

中国五千年の大和魂

これは上手いね。中国五千年→厨二&中国出身(特徴)、大和魂→厨二&帰化して今は日本人(特徴)っていう形式。どちらにも厨二要素と特徴要素を入れた高度なテクニックだ。ちなみに韓陽のもの。

卓球ボンジュール
猛攻トレビアン

これは手抜き系。しょーもない単語+国籍を伺わせるカタカナ語っていうパターンなんだろうけど、捻りが無さすぎる。

キャッチフレーズ担当者も、いい加減ネタというか想像力が尽きてきた深夜に無理やりひねくり出したんでしょう。担当者の苦悩が忍ばれる。

キャッチフレーズを作るのは大変

キャッチフレーズなんて無理やりつけるもんじゃないですよ。大変なんですから。自分も経験あるからわかる。変なのつけたら笑われるし、嫌になる。

最近は全くキャッチフレーズをつけなくなってるから、中の人も楽でしょうね。女子選手は自然発生的に「大魔王(伊藤)」とか「ハリケーン(平野美宇)」と海外経由で名付けられているけれど。

ってことで最後に2019世界卓球代表(予定)にキャッチフレーズをつけてみようと思う。

水谷→平成の卓球王
張本→怪物
丹羽→サイレンスカウンター
吉村和弘→遅れてきた大物 かつて弟と呼ばれた男
大島→フィジカルモンスター

うわあ・・・。我ながら、うわあって感じ。

やっぱキャッチフレーズなんてつけるもんじゃないです。
おしまい。