無冠の女王、劉詩雯(リュウシブン)が悲願の初タイトル[世界卓球2019]

ようやく、ようやくの金メダル。
ついに劉詩雯がやりました。

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ワールドカップでは4度の優勝を誇り、世界ランク1位だった時期もある劉詩雯(リュウシブン)。

世界選手権個人戦 女子シングルスの戦績
2009 横浜 3位
2011 ロッテルダム 3位
2013 パリ 2位(李暁霞に敗れる)
2015 蘇州 2位(丁寧に敗れる)
2017 デュッセルドルフ 3位

あと少し、あともう少しのところで金メダルに手が届かない。2012年ロンドンオリンピック代表は4番手のリザーブで、同じくリザーブだったキョシンとは2人で泣いたそう。2016年のリオオリンピック当時は世界ランク1位だったにも関わらずシングルス代表にはなれず、団体要員。

常に中国の主戦でありながら、ライバルの丁寧や李暁霞の影に隠れてきた卓球人生を歩んできたと言ってもいいでしょう。ワールドカップでいくら勝っても、中国トップ選手にとっては勲章とは言えません。やっぱりオリンピックと世界卓球のシングルス金メダルが欲しいもの。

すべての元凶は2010年の世界卓球モスクワ大会

劉詩雯を語る上で欠かせないのが、2010年の世界卓球団体戦モスクワ大会。決勝のシンガポール相手にエース起用された劉詩雯は、フォンティエンウェイらに2敗を喫し、9連覇を逃した戦犯となってしまう。

シンガポールと言えば全員が中国帰化選手で、いわば中国で代表になれなかった「中国2軍」。
そこに2敗を喫して敗れたとなればバッシングは避けられません。

さらに翌年の2011ロッテルダム個人戦では3位に終わり、ロンドンオリンピックは見限られた形でリザーブ要員になってしまいます。

年齢的にも世界卓球ラストチャンスだった

早くから天才少女として中国エースの座が確約されていた劉詩雯ですが、モスクワ大会の敗戦はあまりにも痛いものとなってしまいました。

1991年4月12日生まれの劉詩雯も、28歳。来年の東京オリンピックでは29歳です。若手がどんどんと育つ中国女子において、年齢的にはギリギリを通り越しちゃってます。

間違いなく2019が最後の世界卓球個人戦。
まごうことなくラストチャンス。

準決勝、決勝でラブゲームも

準決勝の丁寧戦は衝撃でした。
あの現女王丁寧が、左右に振られ、台から下がらされ、何もできずに敗れた感じ。
まさかのラブゲームも。

観客席の劉詩雯応援団は狂喜乱舞。
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そして今日の決勝。

陳夢を4-2で下して念願の、悲願のシングルス初タイトル。
本大会2回目のラブゲームもありました。

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決勝でラブゲーム!

何度も日本選手に立ちはだかってきた劉詩雯ですが、嬉しいですねえ。
ホント嬉しい!

年齢的に来年のオリンピック個人枠はほぼ無理と思われていましたが、これでどうなるか。中国は負の実績には厳しいですが、プラスの実績はしっかり評価する国です。

悲劇の2010年モスクワからちょうど10年後、2020年東京オリンピックのシングルスでは劉詩雯が日本選手の前に立ちはだかるかもしれません。

おめでとう劉詩雯!

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優勝インタビュー
「感動しています。6回目の世界選手権で、3回目の決勝だった。私は優勝するに値する選手だと思っていましたが、それが少し遅かっただけ。夢のような瞬間ですね。私にチャンスを与えてくれたチームに感謝してます。私は5番目に選ばれた選手だった。私を応援してくれた人たち、ファンに感謝したい。くじけそうになった時でも、私をサポートしてくれてありがとう」
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