T2ダイヤモンド(T2 Diamond)とは?日本選手に与える大きな影響

「T2ダイヤモンド(T2 Diamond)」という新しいビッグトーナメントが2019年より年に3回開催されます。

www.youtube.com

T2ダイヤモンドは世界ランクの算出にも使われます。1年間の成績上位8大会のポイントを加算する現行の制度に、T2 Diamondのポイントが特別に加算されるという話を聞いて、自分は真っ先に懸念が浮かびました。

T2ダイヤモンドは東京オリンピック選考レースに大きな悪影響を与えちゃうと。

でも、その心配は杞憂に終わったようです。

T2ダイヤモンドは世界上位16人で争われるトーナメント

T2 APACの後釜

T2 Diamondは2017年に開催された「T2アジア太平洋卓球リーグ(T2 APAC=T2 ASIA-PACIFIC TABLE TENNIS LEAGUE)」と同じ運営元。

斬新な団体戦ルール、卓球っぽくないピッチリしたユニフォームや、スッチなど一部女子選手の露出高めユニフォームが話題になった大会だ。張本くんのノースリーブも印象深い。

世界ランク上位15人+開催地枠1人の合計16人

大会開催の1〜2ヶ月ぐらい前の世界ランク上位15人と、開催地枠1人を加えた16人のトーナメントになる。

開催日程

T2ダイヤモンド トーナメント1 ジョホールバル(マレーシア)
2019年7月18〜21日
出場枠決定:2019年6月3日時点(中国オープン終了時点)

T2ダイヤモンド トーナメント2 海口(中国・海南省)2019年9月26〜29日
出場枠決定:2019年7月15日時点(オーストラリアオープン終了時点)

T2ダイヤモンド トーナメント3 シンガポール
2019年11月28日〜12月1日
出場枠決定:2019年10月14日時点(ドイツオープン終了時点)

世界ランクポイントに加算される

ここが1番驚きました。なんと世界ランク算出ポイントに加算されちゃうそうです。しかもいわゆる「年間上位8大会」に加えてT2のポイントが加算される。マジですか?

優勝すると1000ポイントなので、ワールドツアーやワールドツアープラチナに比べるとポイントは少なめ。

世界選手権:3000
ワールドカップ: 2550
グランドファイナル: 2550
ワールドツアープラチナ: 2250
ワールドツアー: 1800
T2ダイヤモンド:1000

現行の世界ランクは、原則として直近1年間の国際大会のうち、成績上位8大会のポイントで決まります。そこに、さらにT2 Diamondのポイントが加算されちゃうと。つまりT2ダイヤモンドの最大3大会全て出た選手は、8+3で11大会分のポイントで世界ランクが算出される可能性があります。

この辺はまだ詳細な情報が無いので確定ではないですが、ちょっとこのシステムはどうなんでしょう。

出場しただけで400ポイントはおかしい

T2ダイヤモンドの獲得ポイントは以下のとおりです。

優勝 1000
2位 800
3位 700
4位 600
ベスト8 500
ベスト16 400

16人しか出ないので、ベスト16=初戦負け、ベスト8=1回戦勝ちってことになりますね。出ただけで400はちょっと多すぎる…。初戦負けと4位が200ポイントしか差が無いのも微妙。

日本選手に与える影響とは?東京オリンピック選考レースに大きな影響がある

日本では世界ランク上位2名が無条件で東京オリンピックに出場できることになっています。
つまりT2ダイヤモンドに出るか出ないかで、選考レースに大きな差がついちゃう。

しかもですよ、T2ダイヤモンドに出られるのは世界ランク上位15人なんですよ。
ってことは現時点で世界ランク上位に入っている選手は、T2ダイヤモンドに出やすくなる。

2019年1年間だけの成績で、東京オリンピックに出場できるっていう現状が崩れちゃうんです。
すでに上位15位に入っている選手が有利になりすぎる。

宮崎さんが解決したらしい

って懸念が自分の中ですごくあったんですが、T2ダイヤモンドの技術顧問に就任した日本協会の宮崎さんが解決してくれたそうです。

T2ダイヤモンド出場を決める世界ランク15人を選ぶ基準は、2019年のワールドツアーのポイントだけ。つまり2019年1月からの成績だけで決まるので、現時点の世界ランクは関係がなくなる。

これは良かった!ナイスですよ。これなら現時点で世界ランクが下位の選手でも一発逆転がある。

最初のT2ダイヤモンドに出るには、カタール・中国オープンで上位に入るしか無い

ただそうなると、最初のT2ダイヤモンドトーナメント1の選考基準は、たったの3大会の結果で決まることになります。

・ハンガリーオープン 1月18日-21日 ←すでに終了(全日本中だったので日本人は出ていない)
・カタールオープン 3月28日-31日
・中国オープン 5月28日-6月2日

しかも日本人は全日本卓球開催中のハンガリーOPには誰も出ていないので、カタール・中国OPの結果だけで決まっちゃうってことになるの?

一番気になるのは、チャレンジシリーズのポイントが入るかどうかだけど、入らないっぽい。「World Tour Standings」っていうランクには、ワールドツアーとワールドツアープラチナのポイントだけで計算されている模様です。

World Tour Standings - International Table Tennis Federation

カタール・中国オープンで好成績→T2出場→世界ランク爆上げ

現時点の男女トップ3は張本・水谷・丹羽、石川・伊藤・平野です。

この6人以外の選手がカタール・中国でベスト4など好成績を残せば、T2出場権を得て一気に東京オリンピックへの道が開けるかもしれません。

トップ3を虎視眈々と狙う選手にとって、カタール・中国OPは超重要な大会になりそうです。

男子であれば大島、吉村兄弟、女子であれば早田ひな、芝田。
この辺りに注目です。

もちろん全くノーマークの選手が来るかもしれません。
木原、宇田、戸上などの若手が奇跡を起こす可能性も0じゃない。

2019年のカタール・中国オープンは要注目!