Tリーグ2年目の受難、オリンピックに向けてトップ選手が参加せず
Tリーグ2019-2020シーズンの選手の顔ぶれが発表されました。まだ確定したわけではなく追加の発表があるはずですが、大方の流れはこれで決まったと言えるでしょう。
ノジマTリーグ 2019-2020シーズン 契約選手リスト(2019年6月27日付) - 卓球 Tリーグ(T.LEAGUE)
こちらのツイートの方が未契約選手の状況も踏まえているのでわかりやすいかも。
8/29(木)開幕の #Tリーグ 2019-2020シーズン
— しろや@卓球ブロガー🏓 (@shiroya_yarilog) June 27, 2019
6/27現在の今季契約選手が発表!!
太字:契約更新
細字:公式発表なし、退団?
赤字:新規契約
黄背景:自由交渉
黒背景:恐らく退団
トップ名古屋に関してはTリーグ規約を満たしていないので今後選手の追加発表があると思われます pic.twitter.com/P2A8zYPgPw
ぱっと見で気になるのは以下の3点です。
1.中国勢の不参加
2.韓国勢の不参加
3.日本トップ選手が一部不参加
1.中国勢の不参加
・木下アビエルで石川とのダブルエース的な存在の袁雪嬌(23)
・日本生命の鉄板ダブルス常晨晨(33)、蒋慧(22)
女子を盛り上げたこの3人の中国人選手が契約しなかったのは残念。袁雪嬌は「母国の事情」、常晨晨と蒋慧は「一身上の都合」だそうです。まあようするに中国の卓球協会が「今年のTリーグに参加したら、もう中国国内で卓球に関わらせねーぞ」みたいな圧力をかけているものだと思われます。
中国勢の不参加は予想されていたことでした。東京オリンピック前年ということもあり、最大のライバル国の1つである日本を利することをしたくない中国は、全選手を引き上げてしまうのではという報道がすでに流れており、あまり驚きはありません。
とはいえ残念極まりない。
中国ぐらい圧倒的に強いポジションにいる者は、卓球界全体のことを考えて欲しい。
圧力をかけて契約破棄を迫った選手たちは、どれもオリンピック代表候補ではありません。
常晨晨にいたっては33歳で、2016年から日本生命にいた選手です。
そんな選手まで引き上げさせるのはやり過ぎ。
2.韓国勢の不参加
・イサンス、田志希、林鐘勲、徐孝元らの不参加
・ヨンシクは兵役で不参加
中国の不参加は確実視されていたことですが、まさか韓国まで…というのが正直な思いです。1ヶ月以上前から韓国不参加の噂は耳にしていたので心の準備はできていましたが、うーん。
どの選手も韓国のオリンピック代表の可能性が残されています。トップ選手の手の内を海外にさらけ出したくないという戦略は、まあ一応わかる。中国とは違います。
でもねえ。うーん。
3.日本トップ選手が一部不参加
・丹羽がアスティーダを退団
・吉村真晴が埼玉を退団
・加藤美優が日本ペイントと未契約
オリンピック代表の可能性が残されている日本人選手の中では、この3人の未契約が目に付きます。特に丹羽はアスティーダ退団は決定的でしたが、どことも契約していないのに驚き。オリンピック選考レースに向けてワールドツアーに専念したいのでしょうか。
どのチームもオリンピック前年でやりくりが難しい
契約をしたトップ選手も、オリンピック前年ということもありTリーグよりも世界ランクに関わるワールドツアーを優先したいはずです。どのチームも選手のやりくりには困るでしょう。
岡山リベッツ、トップ名古屋にいたっては世界ランク10位以内に相当するSランクの選手をまだ確保できていません。このままだとTリーグの規約を満たせません。どうするんでしょうか。
オリンピック前年はSランクの規定をゆるくするとかしないと、どのチームも辛すぎます。
去年華々しく誕生したTリーグですが、2年目の船出は順風満帆とは程遠い状況です。なんとかここを乗り切って、2020東京オリンピック後に期待される卓球ブームに乗っかって大躍進を遂げる3年目につなげて欲しいものです。
頑張れTリーグ。