「コントロールラバー」が入門者におすすめできない理由

卓球のラバーに詳しくない人に説明する時に、大雑把に3種類に分けるパターンがよく見られます。

・コントロールラバー
・高弾性ラバー
・テンションラバー

上から下にいくにつれて弾みや回転が増してきます。つまりコントロールラバーは1番弾まないラバー。

だから入門者におすすめ…という説明文を見たら、ちょっとそのサイトやブログは疑ってかかった方がいいかもしれません。5年前ならともかく、プラスチックボールに変わった2019年現在はもうコントロールラバーを使うべきではないです。

この記事ではコントロールラバーを入門者が使わないほうがいい理由を3つ紹介します

コントロールラバーを使わないほうがいい3つの理由

弾まなさすぎると上達の妨げになる

初心者のラバーが弾み過ぎると、たしかに台からオーバーしてしまうので上達の妨げにはなります。かといって、弾まなさ過ぎるのもダメです。

初心者が使うラケット(木の部分)自体も弾まないものが多いため、ラバーまで異常に弾まないものを使ってしまうと、とにかく飛びません。

飛ばないラケット・ラバーを初心者が使うとどうなるか。いつまでもラケットの面が立ったまま、もっと言えば上を向いたままになります。

下手くそな絵ですみませんが、ボールはこのような角度で打たなければいけません。現代的なラバーであれば、ラケットをある程度伏せてもボールが落ちずに、しっかりと上&前に飛んでくれます。
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しかしコントロールラバーはボールが上に上がりにくく、落ちやすいです。そのため初心者がコントロールラバーを使うとラケットの角度がこうなります。ラケットが垂直に立ち過ぎちゃうんです。

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極端な人だとこうなる。ラケットの打球面を上にして、ボールを持ち上げるように打ってしまう。さすがに中学生ぐらいだとやりませんが、小学生低学年や中高年の大人はやりがちです。

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適度にボールが弾んだほうが正しいラケットの角度を覚えやすいです。だからコントロールラバーはおすすめできません。

ボールに回転がかからない

コントロールラバーはボールに回転がかかりにくいために、お互い打ちづらいです。卓球のラバーは回転をかけようと意識しなくても、普通に打っているだけである程度の「上回転」がかかります。ラバーのグリップや反発力で自然と回転がかかるんです。

適度な上回転がかかっていると、相手も打ちやすい。自然とラリーが続きます。

コントロールラバーは回転がかかりにくいために、ナックル(無回転)っぽいボールで飛んでいきます。そうすると相手が打ちづらくて、ボールをポトッと落としてしまいます。初心者同士で練習していると絶望的にラリーが続かず、上達の妨げになるでしょう。

2015年からボール素材が変わって飛ばなくなった

2015年頃から卓球で使われるボールの素材がセルロイド→プラスチックに変わりました。この新しいプラスチックボールは以前のボールよりも重くなったために、飛びません。

ただでさえ飛ばないコントロールラバーが、ボール素材の変化によりさらに飛ばなくなっているんです。もう使うべきじゃないです。

コントロールラバーってどういうものがあるの?

以上の理由からコントロールラバーは入門初心者レベルとはいえ、使うべきではありません。ところでコントロールラバーってどういうものがあるんでしょうか?

フレクストラ(バタフライ)
ヤサカオリジナル(ヤサカ)
オリジナルエキストラ(ヤサカ)

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この3つが特に有名です。

ヤサカオリジナルは1950年ころに作られた、もっとも古い裏ラバー。そういうものをいまだに使うってのは、ちょっとありえないと私は思いますね。すぐに白い粉を吹いて劣化して引っかかりがさらに悪くなりますし。

せめて高弾性ラバー「マークV」を使おう

コントロールラバーは安いから、中学1年生やそこまで本気で卓球をやろうと思っていない大人の入門者には、それなりに売れています。でも卓球は一生涯できるスポーツです。たったの数百円の差でコントロールラバーを使い、上達の妨げになったり打つ爽快感を損なってしまうのはもったいない。

コントロールラバーよりも「高弾性ラバー」と呼ばれるラバーの方がまだオススメできます。

高弾性ラバーの代表格といえばマークV(ヤサカ)。

定価3200円なので税込み&2割り引きで実売2764円です。定価2200円のヤサカオリジナルの実売価格は1900円。800円ほどの差ですか。両面だと1600円の差。

ヤサカ(Yasaka) 卓球ラバー マークV アカ 中厚 1.8mm CA B-10 20
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マークVは1967年に開発されたそれなりに古いラバーです。ただし10年ほど前までは世界トップレベルの選手がバリバリに使っていラバーでもあります。その頃はスピードグルーというラバーの弾みを上げることができる溶剤が認められていたために、マークVに塗られていました。

現在のマークVの立ち位置は完全に「初心者向け」です。プラスチックボールになってからはマークVの弾みですらも初心者には足りないという人もいますが、私はそうは思いません。

しっかりとした指導者が付きっきりで教えてくれる環境ならもっと弾むラバーでもいいでしょうが、普通の中学生や大人から始める人には高弾性のマークVで十分だと思いますね。

ただし最低限フォア面は中厚(1.8mm)にしましょう。フォアに中(1.5mm)は薄くておすすめできません。バックなら1.5mmでも最初の1枚目としてはOKです。バックはまずツッツキでしっかり切ることが大事なので、1.5mmぐらいの薄さで切る感覚を覚えるのは将来に役に立つでしょう。

2019年現在は入門者向けの高性能ラバーがたくさんある

以上、コントロールラバーは入門者でも使わないほうがいい理由について解説してきました。もうフレクストラとかヤサカオリジナルを使うのはやめましょう。

この記事で紹介したマークVの他にも、2019年現在は各社から入門者向けの現代的ラバーがたくさんでています。

ヴェガイントロ(XIOM)…3200円
ヴェンタスベーシック(TSP)…3000円
GTT45(andro)…3200円

これらはマークVよりも弾みます。中学生だったら上記の現代的入門ラバーでもいいでしょう。ただし中高年になってから卓球を始める人はマークVをおすすめします。

とにかくフレクストラやヤサカオリジナルやオリジナルエキストラはもう使わない!ってことだけは覚えておいてください。