2019世界卓球のダブルスペアが発表。吉村石川の混合ペアは解消へ

2019ブタペスト大会のダブルスペアが発表されました。最大の注目だった混合ペアは、前回金メダルの吉村-石川ペアが解消という結果になりました。

混合ダブルス:
森薗政崇 伊藤美誠
張本智和 石川佳純

女子ダブルス:
伊藤美誠 早田ひな
佐藤瞳 橋本帆乃香

男子ダブルス:
張本智和 木造勇人
森薗政崇 大島祐哉

なぜ吉村石川ペアは解消されたのか

2017年の世界卓球混合ダブルスで金メダルを獲得した吉村真晴-石川佳純ペア。順当にいけば今大会も出場するはずでしたが、今年1月の全日本で早々に敗れたことから出場が危ぶまれていました。

全日本で優勝した森薗政崇 伊藤美誠のペアは確定として、もう1ペアをどうするか。卓球協会が出した答えは「張本智和 石川佳純」でした。

オリンピックを見据えたペア

ようするに東京オリンピックを見据えたペアってことですね。吉村真晴がオリンピックに出る可能性は低いので、ほぼ出場は確定といってもいい張本・石川の2人を組ませたんでしょう。ダブルスがあんまり上手くない張本に経験を積ませる目的もあるのかな。

吉村真晴にしてみれば、自分が見限られたという感じの受け止め方をしているかも。

ダブルスは右利きと左利きで組むのがセオリー

一応解説しておくと、ダブルスは同じ利き腕同士で組むことはあんまりありません。お互いのポジションが被っちゃうから、やりづらいんですね。右と左で組むと、お互いにベストポジションのままプレーできるんです。だからトップクラスではほぼ右と左で組んでます。

ダブルスが上手い同士、シングルスが強い同士で単純に組みづらいんです。左利きの選手だけ色つけてみました。見事に左右分かれていますよね。

混合ダブルス:
森薗政崇(左) 伊藤美誠
張本智和 石川佳純(左)

女子ダブルス:
伊藤美誠 早田ひな(左)
佐藤瞳 橋本帆乃香

男子ダブルス:
張本智和 木造勇人(左)
森薗政崇(左) 大島祐哉

カットマンペアは同じ利き腕でもOK

ところで「佐藤瞳 橋本帆乃香」の1ペアだけ同じ色ですが、このペアはどちらも右利きです。
なぜ右右ペアがいるのかというと、2人ともカットマンだからです。カットマン同士ならボールが返ってくるまで時間があるので、右同士でもOKなんです。というか左利きのカットマンがほとんどいない。

利き腕で東京オリンピックの代表が決まるかもしれない

左右の利き腕によって組める組めないのダブルスの組み合わせがあるということを覚えておくと、日本代表の代表選びの行方も見ていて面白くなります。東京は3人の団体戦なので、特に重要。実力はあるけれど、利き腕の関係で選ばれないということも大いにあります。

来年1月次点の世界ランク上位2人は自動で選出されますが、3人目はダブルスの相性を考えて総合的に判断されます。もし来年1月のランクがこうなっていたとしましょう。

1.張本
2.水谷(左)
3.丹羽(左)
4.大島

張本と水谷は自動的に選出されます。もう1人は丹羽なのか?いや、丹羽が選ばれない可能性は大いにある。なぜなら張本をエース起用するのでダブルスには出せない。そうすると左利きの水谷と組みやすい大島が選ばれる可能性があるんです。

女子も同様の状況が考えられます。

1.伊藤
2.石川(左)
3.早田(左)
4.平野

伊藤と石川が自動選出で、残り1人をどうするか。伊藤をエース起用するなら、石川と組みやすい右利きの平野が選ばれる可能性がある。

1.伊藤
2.石川(左)
3.平野
4.早田(左)

逆に平野が3番手、早田が4番手の時。伊藤と早田の最強ダブルスで勝負するために、平野ではなく早田を選ぶ可能性はある。…なんていう風に、どの選手が選ばれるのか利き腕で決まる気もするんですよね。

痛恨のリオ

前回リオの女子は、石川がエースで福原&伊藤の右右がダブルスペアでした。お互いバック表で相性は悪くなかったと思いますが、準決勝ドイツ戦では痛恨の敗戦。エース石川が2勝を上げるも敗退して3位決定戦に回りました。

まあリオの時はあの3人以外にありえなかったので仕方ないです。4番手は平野美宇で、これも右。誰を選んだって右右になっちゃった。男女ともに圧倒的エースが左で、選択肢に乏しかった。

残酷な選手選考になるかもしれない

次の東京ではエース起用が男女ともに右になりそうです。つまり残りの2人は絶対に左右にしたい。

世界ランクでは3番手だけど、団体メンバーから落選。そんな残酷な選手選考になる可能性があるんですよね。世界ランクで3番手に滑り込んでも、4番手と大差がなければひっくり返る…なんてことがありうる。まだ先の話ですが、揉めないようにスッキリといってほしいものです。