2018年の卓球界を振り返る

Tリーグ開幕

もちろん今年の最大のニュースはTリーグ開幕でしょう。ついに日本にプロリーグが発足し、しかも出だしはなかなか好調です。観客数も順調に推移しているし、1発屋の花火では終わらずに10年20年と日本にしっかりと根付くプロリーグになりそうです。

国内大会

張本が中2で全日本最年少優勝

「中2で全日本男子シングルス優勝、それも水谷を破って」

5年前の人にタイムマシンで伝えても、絶対に信じてもらえなそう。でも張本はやってくれました。わずか1年前、ジュニアの準々決勝で敗れて号泣した張本でしたが、半年後には世界卓球で水谷を破り、そして2018年の全日本を制して日本のエースに。

まあ世界卓球で水谷に勝っていた時点で、そこまで驚きはないんですけどね。中2が水谷に勝っても驚かなくなったという事自体に驚きですよ。張本くん、あんた凄いわ。

全日本で伊藤美誠が最年少3冠

2017年はライバルでもあり盟友でもある平野の影にちょっと隠れていた伊藤美誠が大爆発。女子シングルス準決勝では石川、決勝では平野を下して初優勝をかざる。

早田ひなとの女子ダブルス、森園との混合ダブルスと合わせて3冠に輝いた。世界卓球決勝ではリュウシブンに勝つし、ワールドツアーでは中国トップに3連勝で優勝するなど、絶好調だった1年を印象づけるスタートだった。

世界卓球

世界卓球団体戦決勝で伊藤がリュウシブンを破る

衝撃の決勝戦。トップバッターの伊藤がリュウシブンを振るゲームのすえ破りました。あれは興奮しましたねえ…。

しかしチーム全体としては1-3でいつもどおり中国に完敗。世界卓球というまさに「本番」で中国女子に勝ったのは素晴らしいことですが、チームが勝つには3勝しなければいけないという事実の前に、あらためにオリンピックや世界卓球の金メダルの難しさを再認識します。

大会途中に統一コリアが結成される前代未聞の事態に

世界卓球団体戦女子のメダルをかけた準々決勝で、まさかの事態が発生。準々決勝で日本が当たるはずだった韓国と北朝鮮が、戦わずして統一チームを組み、準々決勝に進出するという超法規的措置。

さすがに一般向けニュースでも大きく取り上げられました。ありえない…。

大会前の合同チーム発足ならともかく、大会が始まってからの合同チームってのはスポーツとして成り立っていない。国際卓球連盟はやらかしたと思います。

だからこそ日本が勝ってよかった。もしあれで日本が負けていたら、後で大きな禍根となっていたでしょうし、国際卓球連盟にも批判が殺到したはず。日本女子が勝つことで丸く収めてくれた。

特に印象的だったのは2番の石川。リオの女子シングルス1回戦で敗れたキムソンイとの因縁の試合はフルゲームデュースの死闘でした。石川の卓球人生でも忘れられない一戦となったでしょう。

世界選手権団体で日本男子が久々にメダルを逃す

「もう中国以外には負けない」みたいな緩い空気をふっ飛ばしてくれる、痛い敗戦でした。

世界卓球団体の準々決勝の韓国戦。ちょっと前まで韓国は日本の格上だったことを考えると「まさかの敗戦」とは言えないんだけど、それでも中国以外には絶対に負けないだろうせめて負けるとしたらドイツ、ぐらいに考えていた楽観論が吹き飛びました。

中国以外の国だって強い。そんな当たり前のことを再認識させてくれた苦い苦い敗戦となりました。

ライガン(ヤサカ)発売

用具面ではヤサカのライガンの発売を挙げたい。使いやすく技術上達をサポートしてくれる初中級向けの安価な定番テンションとして、今後10年は安定して売れそうな気配。

トップ層やマニア層は見向きもしないだろうが、マークVとかヴェガヨーロみたいな「中学生から絶大な支持を受けるラバー」こそが、日本の卓球界を底支えすると思うんですよね。その仲間入りを果たした感じです。

3700円とヴェガヨーロよりも安く、今後は売上が逆転する可能性すらあるでしょう。間違いなく今年出た道具の中でもっとも売れ続けるもの。

松島輝空が大人相手に勝ちだす

2019世界卓球の代表選考会で、小学5年生の松島くんが衝撃の2勝。フィジカル面も重要になってくる大人相手にどこまでやれるか、2019年は楽しみです。

愛ちゃんが正式に現役引退

結婚、出産を経て長期休養中だった愛ちゃんですが、正式に引退してしまいました。Tリーグの目玉としてもプレーして欲しかった気もしますが…。

でも人生は長い。選手としては身を引いて、家族のことを第一に考えたのかなと。本当に長い間お疲れ様でした。

まとめ

今年も色んなことがありました。Tリーグという素晴らしい財産が日本卓球界にもたらされ、張本や伊藤美誠という若手が世界で躍動し、日本卓球界の未来は明るいように感じます。

いよいよオリンピックまで1年半を切りました。来年は血で血を洗う、オリンピック選考レースの最終盤です。シングルス2と団体メンバー1という、限られた枠をめぐってトップ選手の熾烈な戦いが見られるでしょう!

それでは皆さん良いお年を。