Tリーグ初年度前半戦終了、現在のところ大成功では?


2018年内のTリーグの日程が全て終了し、来月は全日本があるのでTリーグはほぼお休み。
前半戦が終わったとも言えるので振り返りたい。

ぶっちゃけ、面白い。
大成功ではないでしょうか。

開幕直後は冷めた目で見ていました。ちょうど自分が忙しくて卓球もさっぱりやっていなかったというのもあり、開幕戦の地上波放送も見ていない。どこのチームに誰がいるのかも把握していないし、団体戦のルールもよくわかっていなかった。


そこから定期的にネットでニュースが上がってくるのでチラチラ見ているうちに、面白さを認識した感じです。

男子が予想以上に白熱

木下に「3弱」が食らいつく展開

男子といえば木下マイスターが1強すぎてつまらん、みたいな事前の観測がありましたが、良い意味で裏切られました。

現在の勝点はこんな感じで、確かに1強3弱っぽくはなっている。でも意外と「3弱」と呼ばれたチームが食い下がっているんですよね。

木下 30
埼玉、岡山 21
琉球 18

特に年末にかけて木下は埼玉、琉球、岡山と立て続けに3連敗で、一気に勝ち点差が詰まってきました。残り8試合で勝点9差は多分ひっくり返らないでしょうが、わりと差は開かなかったなという印象。

「3弱」に個性がある

さっきから「3弱3弱」ってファンには凄い失礼な呼び方ですが、もはや3弱とは個人的に思っていなからこそあえて3弱と形容している感じ。旧3弱みたいな。

で、この木下以外の3チームってあんまり個性がないよなあって最初は思ってた。唯一、丹羽がいる琉球がちょっと目立っているぐらいなもので。でも蓋を明けてみると、岡山と埼玉もいい感じに熱いチームなんですよね。

岡山は森園・上田の鉄板ダブルスに最近好調の吉村弟が最高。特に吉村弟は今後エース的な存在になれる可能性ありだし、日本代表3番手争いにも食い込んでくる未来も見えてきた。

埼玉は黄 鎮廷の調子がちょっと悪くてヨンシクが孤軍奮闘なイメージだったけど、最近は何と言っても平野。平野ヤバイ。鬼の弟がついに覚醒かよってぐらい平野友樹が調子がよくて、明治大学の先輩水谷を破る大金星で埼玉ホーム戦のウイング・ハット春日部を熱狂させました。

強いチームに戦力で劣るチームが立ち向かうってのは日本人好み

野球なんかで顕著だけど、戦力的に強い優勝候補に対して弱いと言われたチームが立ち向かうのって、なんか日本人は好きですよね。特に夏の甲子園では、私立の強豪校に公立チームが勝ちそうになると、甲子園全体が手拍子で応援する凄い雰囲気になる。

Tリーグ男子もそんな雰囲気になりつつある。木下が強すぎるので、それに立ち向かう3チームがホームで勝とうものなら大盛り上がり。いい流れだと思う。

単純に男子卓球の方が見ていて派手で面白い

卓球王国の編集長さんも指摘してたけど、男子と女子の卓球の質の違いも人気の差の要因かなと思っている。

女子といえば愛ちゃん時代からメディアで頻繁にとりあげられる「アイドル」がいて、ぶっちゃけ試合の中身というかスポーツとしての卓球はクローズアップされてこなかった経緯がある。

女子は前陣の高速卓球が主流なので、卓球をしていない一般層からすると「速すぎて、よくわかんない」という印象になりやすい。だから見ていても一般受けはしづらいのかなと。

逆に男子は台から離れてのドライブ合戦、引き合い、ロビングなど、とにかく派手。ダブルスも交互に全力ドライブを打ち込むプレーが多いので女子とは別のスポーツみたいになってる。

だから要所要所で観客が湧くプレーが出る。そこが面白い。

けっして女子卓球を否定するわけじゃないんですけどね…。歴史のあるドイツのブンデスリーグでも男子はわりと人気だけど、女子はさっぱり観客が集まらないらしいし、今後は男女間の観客数の差は開くと思われる。

観客がわりと多い

あっというまに500人を切って、200~300あたりにまで落ち込むと予想していたTリーグ観客数だけどわりと減らない。特に木下絡みの試合はほぼ1000人以上をキープしてて、観客席がぎっしり埋まっている。

女子はちょっと少ない時もあるけれど、神奈川・日本生命の2強絡みだと1000人を超えることもチラホラ。

観客数が意外と検討しているのは、やっぱり試合の中身が面白いから固定ファンが増えているってことなんだと思う。自分も地元にあったら絶対行くし。初年度でこれは大検討ではないでしょうか。

女子はちょっと心配

女子は木下神奈川vs日本生命という事前の予想通り。で、残りの2チームがちょっと影が薄い…。観客数もかなり減ってきている。

Tリーグはプロリーグなので「強い」あるいは「ファンを楽しませる」のどちらか1つでいいから満たさないといけない。ここが日本リーグの実業団チームとの違い。実業団チームは負けてもファンがいなくても、まあ成り立つっていう側面があった。でもTリーグはプロリーグなので、それではいけない。

来年度は名古屋、日本ペイントも何らかのテコ入れをして踏ん張って欲しいところ。理想は伊藤美誠の参戦か、中国トップを1人でいいから入れるとか。まあオリンピック前だから無理か。

ミキハウス参戦はないのか?

ミキハウスが参戦したら面白いんだけどなあ。企業規模的にも全く問題がないし、佐藤、橋本のカットマンコンビに芝田と所属選手は高レベル。四天王寺中高の選手をそのまま参加させることだってできるだろうし。元ミキハウス所属選手の愛ちゃんも復帰したら最高すぎる。こちらも元ミキハウスの平野(鬼)さんはコーチ兼選手で。妄想が広がる。

結論:Tリーグ初年度は意外と盛り上がっていていい感じ

「トップ選手が集まるわけがない」
「4チームリーグだと毎回同じ選手同士の試合でつまらない」
「ぽっと出の組織じゃ長く続かないだろう」

1年前までこんな感じに鼻で笑われていたTリーグだけど、日本にしっかり根付きそう気配がしてきた。将来的に2部、3部リーグと裾野を広げていけるかどうかはわからないけれど、少なくともJリーグ開幕数年後のようにガクッと観客が減るってことはなさそう。

なにより2020年の東京オリンピックという「風」も控えている。男女どちらかが団体で金メダルを取るようなことがあれば、もう1段階盛り上がるでしょう。期待!