卓球メーカー(ブランド)について簡単な解説

これから卓球を始めよう!という人向けに、国内メーカー(ブランド)を中心に卓球メーカーの特徴を紹介してみようと思います。

まずはバタフライ、ニッタク、VICTAS、ヤサカの国内4大メーカーから抑えておきましょう。

「バタフライ」 卓球界をリードするメイド・イン・ジャパンブランド

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バタフライ

ラバー、ラケット共に卓球界を代表するブランドです。
水谷、張本など国内男子トップ選手の多くはバタフライの契約選手です。

看板ラバー「テナジー

代表的な製品をあげるとキリがありませんが、テンションラバーの「テナジー」は世界選手権出場者の半数以上が使っているまさにモンスターラバー。
スプリングスポンジと呼ばれる技術は他社が全く真似できない独特の凄みを発揮しており、日本のトップ男子はフォアにテナジーを貼るのが第一選択肢になっています。
全日本選手権のジュニアベスト8が全員両面テナジーだったりするぐらい、とにかく国内ではテナジー率が高いです。

ラケットの質も高く、木材ラケットでも個体差がそこまで無い。
中上級レベルにはアリレートカーボンが人気です。

ウェアのデザインも評価が高い。
卓球界に最も影響力があるブランドです。

メイド・イン・ジャパン

他のメーカーのラバーはたいていがドイツ製です。つまり自社開発していません。バタフライはテナジーをはじめとしてほとんどが自社開発製品のメイド・イン・ジャパンで、だからこそ卓球界をリードする絶対的な製品力を維持できているという感じです。

今の卓球用具界をリードするのは日本のバタフライと、粘着ラバーという特殊なラバーに強みを持つ中国メーカーと言えるでしょう。

商品力がある反面、価格は高い

その反面、ショップでの値引率が低いために全体的に製品コストが高いのが玉に瑕。
他社は通常の実店舗ショップだと2割引きなのに、バタフライは1割引きです。

またテナジーは数年前に値上がりで1枚7〜8000円となったために、一般選手はなかなか使えない高嶺の花状態になってしまいました。
一般層にとっては「高くても使いたい」、トップ層からすると「高かろうと使わざるをえない」。
それだけの価値を持っている唯一無二の商品力を誇っています。

ちなみにバタフライは商品のブランド名で、会社名は「タマス」です。

主な契約選手:水谷隼張本智和、ティモ・ボル、林高遠、松平健太、吉村真晴、加藤美優浜本由惟


代表製品:

「ニッタク」 ボール品質はピカイチで圧倒的なシェア

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ニッタク(Nittaku)と言えば、まずはやっぱりボールでしょう。
2015年にボールの素材がプラスチックに切り替わってからは、ニッタクのボールがダントツで高品質状態です。

まあ他が酷すぎるっていう話なんですが・・・。
地域にもよりますがニッタク以外のボールを出すと怪訝な顔されます。
っていうか自分の周りでニッタク以外を使っている人がいない。
そのぐらい現在の日本ではニッタクボールが圧倒的支持を受けています。

ラバーは「ファスターク」シリーズが人気です。
特にファスタークG-1は伊藤美誠石川佳純(現在は未使用?)など女子のトップ層がフォア面で使う定番になりました。

ニッタクは少数精鋭のバタフライ製品とは真逆の方向性で、「ニーズがあればとりあえず作る」みたいな感じ。
色んな方向性の製品があるのでカタログ見てても飽きません。

最近は剛力という重量100g、価格3万円オーバー、メインターゲットは女子、なんていう冗談みたいなラケットも人気です。
石川佳純が契約選手の代表格で長らくカタログの表紙を飾っていましたが、もう1人の看板選手の伊藤美誠へといつか表紙が変わってしまうんでしょうか。
気になります。

主な契約選手:石川佳純伊藤美誠、森薗政崇

代表製品:

「TSP」「VICTAS」 今後が楽しみなブランド

同じ会社が出している2つのブランドです。
VICTASはTSPよりもトップ選手向けという位置づけです。

ラケット売上ダントツNo.1のスワット

TSPは比較的安価なラケット、ラバーに定評があります。
特に実売4000円台の「スワット」は何年もラケット売上の1位を維持し続けています。
中1はとりあえずスワット買っておけば間違いは無いでしょう。

VICTASはトップ選手向け かっこよさげなイメージを醸成するのに成功中

VICTASはより上位の選手向けのブランドで、ここ2~3年で急激に存在感を高めてきました。
トップラバーであるV15エキストラ(V>15エキストラ)は丹羽選手などVICTAS契約の男子選手のプレーを支えています。

近年バタフライに追い付け追い越せを意識しているのか、積極的にトップ選手を囲い込み、イメージ広告も積極的に打ち出しています。
長らくミズノかバタフライが契約していた日本代表のユニフォームも、現在の男子はVICTASが入札を勝ち取っていて2020年の東京オリンピックまでの契約が決まっています。

VICTASブランドを前面に出したマーケティング力が高く、特に中高生男子に対する訴求力はかなり強くなりつつあります。
「I AM NEXT.」広告なんて、中高生の胸にもろ突き刺さるでしょう。
今までは「かっこいい枠=バタフライ」でしたが、そこにVICTASも入りつつある感じですね。
ウェアのデザインも男子に人気が出そう。

契約選手も年々増えており、丹羽孝希をはじめとして、日本のトップレベルの男子選手をバタフライ陣営から引っ張ってきています。

ただ商品開発力という点では、バタフライには遠く及ばないのが正直なところ。
V15エキストラに変わる新世代トップラバーの登場が待たれます。

主な契約選手:丹羽孝希、吉村和弘、松平賢二、木原美悠、ソ・ヒョウオン

代表製品:

「ヤサカ」 最も売上枚数が多いマークVを擁するブランド

中1からおじさんまで御用達の国民的ラバー「マークV」

ヤサカ(YASAKA)と言えば「マークV」でしょう。

1967年の発売以来、2007年ごろまでは世界中のトップ選手御用達の伝説のラバー。
現在でも日本の初心者がまず最初に張るラバーとして、売上上位をキープし続けています。
初心者を教える指導者からの支持が厚い。

もう50年以上もトップクラスの売上を維持し続けているってのは凄いですね。
ラバーもラケットも安価でキラリと光る商品を出しているイメージがあります。

その一方で、4大メーカーで最も商売下手。
マーケティング力が無さすぎて、若い子からはあまり見向きされない傾向にあります。

年配のオジサンからの支持はめちゃくちゃ高いんですが、いまだに代表的な製品がマークVでは…10年後20年後はどうなんでしょうね。
良い製品はあるのに、その魅力を伝えきれずに損してるイメージがあります。

ライガン、リーンフォースなど2018年はリーズナブルでかなり良さそうな新製品を出してきました。
反転攻勢してもらいたいものです。

主な契約選手:神 巧也、マティアスファルク(SWE)、梁靖崑(中国)、笹尾明日香
小5ぐらいまでは張本兄も契約していました。

代表製品:

ヤサカ(Yasaka) 卓球ラバー マークV アカ 特厚 MAXIMUM TA B-10 20
ヤサカ(YASAKA) (2013-06-18)
売り上げランキング: 2,143

ヤサカ(YASAKA) 卓球 ラバー ライガン B-85 アカ(20) A
ヤサカ(YASAKA)
売り上げランキング: 26,234


以上が国内の代表的な卓球専業メーカー・ブランドです。
とりあえず上記を全部抑えておけば問題ありません。

もう少し色々なメーカーを知りたい!という人は以下もどうぞ。

「ミズノ」卓球シューズではダントツのシェアで今後はラケット、ラバーも要注目

ミズノは卓球に限らず様々なスポーツを手掛ける国内大手メーカーで、卓球においても年々存在感を高めています。

シューズのシェアはダントツ。
猫も杓子もミズノのシューズ状態です。
ウェアのデザイン力も卓球専業メーカーでは無い強みを活かして評価が高く、長年日本代表のウェアを手がけてきました。

ラケットではフォルティウスFTが大島選手の活躍もありヒット中。
ラバーも表のブースターが定番になりました。
また最近では打倒テナジーを目指して高価格なQ3をリリースするなど攻めています。

主な契約選手:大島祐哉

「XIOM(エクシオン)」 圧倒的なコスパ、ヴェガシリーズ

韓国のメーカーで、マーケティング力では卓球界屈指の存在。売り方が上手い。
テンションラバーのヴェガシリーズは4000円という低価格で爆発的な人気を誇ります。
特にヴェガヨーロッパ(ヴェガヨーロ)は、初心者〜初級向けのテンションとして第一選択肢に上ることが多いです。

最近は定価4000円で他社もいいテンションを続々とリリースしており、存在感は相対的に薄れつつありますが、打倒マークVとして3200円のヴェガイントロをリリースするなど今後も要注目のブランドです。

ラバーのパッケージも中高生に受けそうなデザイン。
売り方が上手いんですよね、ホント。
ここはヤサカなども見習って欲しいところ。

主な契約選手:ヨンシク、カルデラ

代表製品:

エクシオン ヴェガ ヨーロッパ(VEGA EUROPE)
TSP
売り上げランキング: 2,099

「STIGA(スティガ/スウェーデン)」 中国ナショナルチームも御用達の木材ラケットに強みを持つメーカー

木材ラケットに強みを持つスウェーデンのメーカーで、中国のナショナルチームが御用達にしています。
クリッパーウッドなどクラシカルな木材ラケットが有名です。

最近ではカーボネイドシリーズでカーボンラケットもリリースしまくってます。
ラバーも色々と出していますがとにかくラケットがいいですね。

粘着ラバーと相性のいいラケットには定評があり、フォアに粘着を張る中国トップ選手のSTIGA率はかなり高いです。
日本では平野美宇がクリッパーウッドを使っていましたが、2019年現在はバタフライのビスカリアに乗り換えてしまいました。

個人的に1番好きなラケットメーカーです。
かっこいいしグリップが太めでしっくりきますね。
全体的にもう少し価格を抑えてくれるとありがたいんですが・・・。

主な契約選手:平野美宇、ファンジェンドン、シュシン

代表製品:

JUIC(ジュイック/日本):カジュアルな卓球ウェアが女子に人気

1970年に設立された日本の卓球メーカー。もともとは卓球用品の輸出入をしていたらしく、その名残で今でもDr.Neubauerやコニヨールの代理店としての印象が強い。

自作ラケットやラバーも出していますが、日本ではいまいち受け入れられていません。

ただ、ここはユニフォームが秀逸!
安い、かわいい、卓球っぽくないと三拍子揃っているために、女性からは絶大な人気を誇ります。
ちょっと美人なママさんはJUIC率高いです。

ちなみに設立当初は「十一屋貿易」という名前。これをもじってジュイックにしたんでしょうか?

andro(アンドロ/ドイツ):20代男子に人気の洗練されたウェア

ドイツの卓球ショップなんですが、あまりの規模の大きさにラケットもラバーも自社生産しちゃってます。

日本では「ぐっちぃさん」のWRMがご贔屓にしているようで、YouTube動画でもよくおすすめされています。個人的にはラバーもラケットもあえてandroを選ぶ必要性は薄いかなと思います。

ここはウェアがかっこいいです。
しかもめっちゃ安い。
Tシャツ風の卓球っぽくないユニフォームをたくさん出してます。
日本のメーカーもandroやJUICのようなTシャツ風ユニフォームをもっと出せばいいのにー。


ここで紹介したメーカー以外にDONICというドイツメーカーも重要です。日本ではあんまり人気がありませんが。

そして中国メーカーの存在。バタフライに対抗できるのは中国メーカーだけでしょうね。
とりあえず今回はこのぐらいで。