2008年の日本男子代表につけられたキャッチフレーズ
昔のテレビ東京は、すぐ選手にキャッチフレーズをつけていた。なにもテレビ東京に限らず、他社のバレー中継とか世界陸上とか、とにかく選手にキャッチフレーズをつけるのが流行っていた時代。
そこで2008年世界卓球の日本男子代表5人のキャッチフレーズを振り返ってみようと思う。()内は当時の世界ランクと年齢。
韓陽(17位 30歳) ・・・卓球台風
のっけからよくわからない。卓球台風ってどういうことなんだ。
韓陽は当時のエースで2008年大会は全勝している。強い。でも卓球台風ってどういう意味なのかさっぱりわかりません。Googleで検索してもさっぱり情報が出てこない。
水谷隼(29位 19歳)・・・若き至宝
これはわかる。世界ランクは2番手だが、すでに全日本で連勝し始めた頃で韓陽とはダブルエースといった感じだったかな。19歳でエース格なら「若き至宝」とつけたくなる。
吉田海偉(52位 27歳)・・・攻撃龍
「攻撃龍」と来たか。うん。なんというかコメントしづらい。
無難ではあるけど、捻りが無い。卓球台風みたいに首を傾げるわけじゃないけど、むちゃくちゃ納得するわけでもない。次にいこう。
岸川聖也(64位 21歳)・・・沈黙の牙狼
「沈黙の牙狼(ちんもくのがろ)」
うわー!
出ました、これですよ。これぞキャッチフレーズですよ。これキャッチフレーズの付け方の教科書だと思うんですよ。
「特徴」 + 「厨二っぽい言葉」
この組み合わせこそがキャッチフレーズとして王道じゃないですかね。
岸川といえばちょっと静か。クール。ポーカーフェイス。つまり「沈黙」という特徴をまず最初に持ってきている。
そして「牙狼」。何の意味も無い言葉だし、岸川は全然狼っぽくないっていうかむしろ羊っぽいキャラなんだけど、キャッチフレーズには厨二っぽい言葉が必要だから何だって良いんですよ。羊だろうが狼だろうが、厨二っぽければ。
「特徴 + 厨二単語」という作り方でいえば、水谷の若き至宝も当てはまっている。
19歳で将来が嘱望されている=若き
厨二単語=至宝
完璧ですね。
こういう風に作ればいいんですよキャッチフレーズは。
大矢英俊(169位 20歳)・・・吠える剛球
これもいい感じ。
吠える → 大矢はマジで吠える。もう特徴そのまんま。フォームの汚さか、吠えるところどっちかをキャッチフレーズに入れてあげたいので、正解。
剛球 → うん、まあ厨二単語っぽいし、いいんじゃないでしょうか。剛球かどうかはここでは問題じゃない。いかに厨二っぽさで締めるかですから。
思わぬ収穫だった
いやー、これ我ながら思わぬ収穫でした。ただのネタ記事で終わるかと思いきや、いいキャッチフレーズの付け方メカニズムが明らかになるとは。
他にも卓球選手につけられたキャッチフレーズを見てみる。
怒濤のペンドライブ
疾風のバックハンド
流星バックドライブ
これは厨二 + 特徴(得意技術)という組み合わせ。
スマッシュの宝石箱
これも厨二 + 特徴(得意技術)という組み合わせだけど、厨二単語にひとひねり加えている。おそらくスマッシュにも色んな種類があって、何が出てくるかわからんぜーみたいな。
ちなみに誰につけられたキャッチフレーズなのか調べたら、岸川聖也・・・・・・・・。なんで??
中国五千年の大和魂
これは上手いね。中国五千年→厨二&中国出身(特徴)、大和魂→厨二&帰化して今は日本人(特徴)っていう形式。どちらにも厨二要素と特徴要素を入れた高度なテクニックだ。ちなみに韓陽のもの。
卓球ボンジュール
猛攻トレビアン
これは手抜き系。しょーもない単語+国籍を伺わせるカタカナ語っていうパターンなんだろうけど、捻りが無さすぎる。
キャッチフレーズ担当者も、いい加減ネタというか想像力が尽きてきた深夜に無理やりひねくり出したんでしょう。担当者の苦悩が忍ばれる。
キャッチフレーズを作るのは大変
キャッチフレーズなんて無理やりつけるもんじゃないですよ。大変なんですから。自分も経験あるからわかる。変なのつけたら笑われるし、嫌になる。
最近は全くキャッチフレーズをつけなくなってるから、中の人も楽でしょうね。女子選手は自然発生的に「大魔王(伊藤)」とか「ハリケーン(平野美宇)」と海外経由で名付けられているけれど。
ってことで最後に2019世界卓球代表(予定)にキャッチフレーズをつけてみようと思う。
水谷→平成の卓球王
張本→怪物
丹羽→サイレンスカウンター
吉村和弘→遅れてきた大物 かつて弟と呼ばれた男
大島→フィジカルモンスター
うわあ・・・。我ながら、うわあって感じ。
やっぱキャッチフレーズなんてつけるもんじゃないです。
おしまい。