浜本由惟がオーストリアに移籍(続報:国籍も変更とのこと)

衝撃のニュース。
浜本由惟が日本代表に見切りをつけて、オーストリアに帰化するかもしれません。

【卓球】元世界代表の浜本由惟、オーストリアからツアー参戦か(卓球王国) - Yahoo!ニュース

2016年世界選手権団体戦の日本代表であり、団体銀メダリストとなった浜本由惟(20歳)が5月のクロアチアオープンにオーストリア代表としてエントリーされていることがわかった。

うーん。。これはビックリですね。
過去にこのような事例ってあったんでしょうか?
少なくとも浜本選手レベルが帰化・移籍ってのは例が無かったように思います。

とりあえず現在のところは帰化(国籍変更)まではしていない模様。
日本卓球協会→オーストリア卓球協会に移籍してワールドツアーに出場しているだけみたいです。

世界卓球やオリンピックは国籍によってチームが決まります。
でもワールドツアーの場合は、日本人のまま外国の卓球協会に所属して出場することができるという謎システム。
結構アバウトなんですね。

浜本由惟の現在地

浜本由惟は1998年7月28日生まれの現在20歳。みうみまなどミレニアム世代の2つ上の選手です。

お母さんが中国の出身で、お父さんはバレーの実業団選手。身長が高くパワーヒッターとして期待され、JOCエリートアカデミーという国の卓球養成所で中高6年間を過ごしていました。

2016年の世界卓球団体戦は代表決定戦を勝ち抜いてメンバー入り。ほとんど試合には出ませんでしたが、銀メダルを獲得しています。

卒業後は実業団の日本生命、Tリーグ開幕後は木下アビエル神奈川。日本女子の中では10番手あたりの中堅クラスといった感じでした。

20歳ではありますが、今後ガツンと伸びてトップ5に入る気配はちょっと感じられなかったのが正直なところ。東京オリンピックに向けた選考レースにも出場しておらず、諦めたのかな?とは感じていました。

2019年4月時点の世界ランクは104位。最高16位まで行ったことを考えると、かなりのランクダウンです。2018年7月は27位だったんですけどね…。うーん。

日本代表を諦めて海外に活路を見出したか

まだ情報が少なすぎてはっきりしたことは言えませんが、現在の日本女子の顔ぶれを見る限り、自分が代表として世界大会に出るのは難しいと感じたのかもしれません。

ちなみに卓球では中国選手が帰化しまくって、現地の選手が全然試合に出られないという問題があります。競争が熾烈な中国に見切りを付けて、海外でっていうパターンですね。最近の日本ではいなくなりましたが、10年ぐらい前までは帰化選手が当たり前のように代表になっていました。

今でもアジア圏以外の国の代表選手には、1人は中国帰化選手がいるのが当たり前の状況です。アジア圏ではありますが、シンガポール女子なんてほぼ全員中国帰化選手ですしね。フォンティエンウェイとか。

ちなみに協会を移籍したり帰化したりしても、大きな大会には出られない規制があります。

ITTF(国際卓球連盟)の規約では18歳以上、21歳未満の選手が協会を移籍した場合は7年間、オリンピックや世界イベント(世界選手権やワールドカップ等)には出場できない。

これを見る限り浜本由惟は世界卓球などには出られないように読めるのですが、どうなのでしょうか。でもオリンピックには出られるんじゃなかったっけ?ちょっと詳細がわかりません。

ちょっと調べてみました。英語は自信が無いので間違っている可能性大です。

https://www.ittf.com/wp-content/uploads/2018/02/2018ITTFHandbook_v2.pdf_0.pdf

4.5 OLYMPIC COMPETITIONS

4.5.1.3.4.1 3 years after the date of registration, if the player is under the age of 15
when registered, but only 1 year after the date of registration if the player
has never represented another association;
4.5.1.3.4.2 5 years after the date of registration, if the player is under the age of 18 but
at least 15 years of age when registered;
4.5.1.3.4.3 7 years after the date of registration, if the player is under the age of 21 but
at least 18 years of age when registered.
4.5.1.3.4.4 9 years after the date of registration, if the player is at least 21 years old
when registered.

18〜21歳で帰化したら7年間、21歳以上で帰化したら9年間オリンピックには出られないようです。以前はIOC主催のオリンピックに帰化選手制限は無かったと思うんですが、新しく加わったんでしょうか?

エリアカとしては辛いところ

せっかく6年かけて育てたエリアカとしては、他国に流出されると辛いですね…。まあどういう事情なのかはこれから情報が出てくるでしょう。

どんどんと層が厚くなっていく日本で、なかなか活躍の機会が獲られずに他国に流出する選手も増えると思います。個人的には日本で頑張ってほしいとも感じますが、選手それぞれの選択ですからね。いい決断になればと思います。

ただ心配なのが、浜本由惟選手の性格。インタビューの受け答えや、過去のツイッターなどを見る限り、かなり内向きの人なんですよね。日本代表クラスでは、ダントツの内向きさ。引っ込み思案というかシャイというか、考えすぎて爆発しちゃうタイプというか。いきなり環境が変わって大丈夫なのかなと。

オーストリアに行くわけじゃないのかな?活動拠点は日本のまま?今後の続報を待ちましょう。

続報1:卓球協会は全く知らなかった模様

卓球浜本、オーストリア所属に 元世界選手権代表 | 共同通信
日本卓球協会は詳細を把握しておらず、関係者は一様に「びっくりしている」と話している。

えー。把握してなかったってマジですか。移籍するならちゃんと話を通すものだと思いますが…。ちょっとこれは色々と波紋を呼びそうな気配がしてきました。

Tリーグで所属している木下アビエル神奈川の監督(劉燕軍)さんがオーストリアの女子監督ということで、オーストリアを選んだんじゃなかっていうい話なんですが…うーん。

移籍・帰化するならするで本人の選択でいいんでしょうが、話を通すべきところはちゃんとしないと、色々と言われてしまうんじゃないかなと。ちょっと前まで所属していたところが「知らない」っていうのは、いくらなんでもわけがわかりません。浜本選手はまだ20歳ですから、移籍を主導した大人がいるはず。それが劉燕軍さんなのかは現段階ではわかりませんが、もし劉燕軍さんだったとしたらちょっとこれはどうなのかっていう気がします。いやまだわかんないんだけど。

すごくモヤモヤする話になってしまいました。

続報2:

かなり詳細な続報が入ってきました。

headlines.yahoo.co.jp

・協会の所属変更だけでなく、国籍も変更する
・18歳の頃からオファーを受けていた
・動機は五輪出場、日本では厳しいため
・オーストリアにすでに在住している
・出場できても24年パリにも間に合わず、最短で28年ロサンゼルス

ふむー。オリンピックへの思いが強かったんですね。とはいえ9年後のロサンゼルスが最短出場とは…。その頃浜本は29歳。層が薄いオーストリアなら出場できるかもしれませんが、そこまでモチベーションが持続するのかどうか。

また、やはり卓球協会は事前に報告を受けていなかったとのこと。海外に活路を見出すのは全然有りだと感じますが、所属元に対しては一応それなりに話を通すべきかなと。JOCエリアカで6年育った浜本は、いわばもっとも協会からのバックアップが強かった選手の1人なわけで。

別に日本卓球協会の許可を得る必要はないけれど、移籍すると事前に一言あれば。浜本本人っていうよりは、周りで主導した大人がちゃんとして欲しかった。これじゃ必要以上に本人が叩かれてしまう。