坊主になった大島祐哉、張本を破る金星[全日本2019]

女子の準決勝が淡白すぎて、ちょっと会場も冷え冷え。そんな状況をぶっ飛ばしてくれた男子準決勝第一試合でした。

前年王者にして日本のエース、張本が木下マイスターの同僚・大島祐哉を迎え撃つ。下馬評では張本が完全に有利という構図でしたが、大島祐哉が去年の準々決勝で敗れたリベンジを果たしました。

イマイチ突き抜けられなかった大島祐哉

高校時代は無名

大島祐哉は京都の名門校東山高校の出身。名門校とはいえ、大島祐哉自体の経歴は卓球エリートとはほど遠いもの。

中学時代は陸上も同時並行にやっており、6m50cmの記録を持っています。陸上専門じゃないのに6m超えは凄いです。ちなみに上には上がいて現在の中学日本記録は7m40cm(和田晃輝/楠葉西中)のよう。

まあ中学時代は卓球と陸上を中途半端にやっていたわけで、高校で京都No.1の東山高校に進学するも、全国的には無名の選手でした。典型的なフィジカル卓球で、ほとんどオールフォアで飛び回るような選手だったようです。

早稲田大学でぷちブレイクするも、今一歩突き抜けられない

早稲田大学に進学してから大島祐哉の卓球人生はガラリと変わります。ワールドツアーにも抜擢されて、2015年には国際大会で快進撃も魅せます。

印象に残るのは世界卓球蘇州(中国)大会と、中国オープンでしょう。

世界卓球蘇州大会では男子ダブルスで当時明治大学に在籍していた森薗政崇とダブルスを組み、準々決勝でチャンジーカ・キョシンという当時最強ペアと激突。

地元中国のトップペアが、国際的にはほぼ無名だった大島祐哉と森薗政崇ペアに敗れるなどあってはならないこと。そんな状況下で、先に10-8でマッチポイントを奪ったのは大島/森薗ペアでした。

そこから悪夢のような4連続失点。あと1点で中国No.1を破りメダルが決定するという快挙を逃し、ほとんど号泣しながらコートを引き上げていたそうです。以下が実際の試合。めちゃくちゃ熱い試合なのでぜひ時間のあるときに見てください。

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さらに中国オープンではオフチャロフを破り、世界ランク1位の馬龍にフルゲーム。7-4とリードしながら7連続失点で終戦。

ぷちブレイクは果たすものの、後一歩、もう少しのところで快挙を逃す大島祐哉の卓球人生を象徴するような2大会でした。

リオオリンピック代表はライバル吉村真春に持っていかれる

2016年の3人しか出られないリオオリンピック代表選考レースも、4位でリザーブに。3番手に入った吉村とは最後まで競りましたが、わずかの差で代表入りを逃しました。

吉村はリオ団体では不調の丹羽に変わって水谷につぐ準エース起用され、銀メダルを獲得。かたやリザーブで球ひろい、かたやメダリストと明暗が分かれます。

リオ後は張本の台頭もあり永遠の4〜5番手扱い

リオオリンピック後には急速に台頭してきた張本の影に隠れるように、4〜5番手扱い。張本、水谷、丹羽の3人の壁を敗れずに団体戦では重要なポジションは任せてもらえず。このまま中堅クラスで終わるのかな・・・という観測もありました。

卓球の中身よりイケメンだけがクローズアップされる様子は、マツケンとも被る。イケメンと呼ばれて嬉しいのは、イケメンじゃない奴だけ。本当のイケメンはイケメンって言われ慣れてるからどうでもいいはず。

2017年に結婚、2018年に子供が生まれる

23歳で結婚して、翌2018年6月22日には娘も誕生。ライバル吉村と同じく、早くして父親となった大島祐哉。東京オリンピックへの出場をかけて2019年は勝負の年。

そんな大事な年の最初の大会、全日本で張本を破る大金星。大島祐哉が突き抜けるきっかけになるかもしれません。

ラケットとラバー

大島祐哉はミズノ(mizuno)契約なので全体的にミズノ系用具が多めです。

ラケットはミズノ「フォルティウスFT ver.D」。大島祐哉が使っていたことから大人気になった7枚合板のフォルティウスFTに素材を挟んだものです。

ラバーはバタフライのテナジー系。以前はバックにミズノのQ3を貼っていたようですが、結局テナジーに戻したようです。Q3は大島祐哉が開発にも関わっていたようなんですがね・・・。mizunoとしては大島祐哉が使っているラバーという売り出し方をしたかったんだと思いますが、思惑が外れてしまいました。

ラケットはともかく、ラバーはテナジー・ディグニクス系にした方がいいと思います。

早田ひなとの関係

最初に結論を言っちゃうと大島祐哉と早田ひなは、何の関係もありません。

大島祐哉と検索すると「早田ひな」がサジェストに出てきます。ようするに何かスキャンダルがあったんじゃないかという話なんですが、全くのフェイクニュースです。

大島祐哉と早田ひなは2018全日本の混合ダブルスで組んでいたことから、そういう憶測が流れているんでしょうが、まあしょーもないですね。いつものことです。2chあたりで冗談半分で書かれたことが、Youtubeのコメント欄やSNSなどで拡散して、トレンドブログっていうフェイクニュースを扱うスキャンダルサイトが収益目的で記事にしちゃうって流れですね。

大島祐哉が坊主になったのも、早田ひなと関係があるかのように喧伝されています。妊娠させたとか書いているブログもあるし。フェイクニュースサイトは名誉毀損で訴えられればいいのに。

木下マイスター同士討ち3連続で優勝できるか

さあ残るは決勝のみ。準々決勝、準エース、決勝と木下マイスターの同僚対決になりました。対するは抜群の安定感を誇りV10を目指す水谷。

ここで優勝できれば世界卓球個人戦シングルスは確定します。世界卓球は世界ランク算出のための獲得ポイントが高いため、オリンピック選考レースでも大幅に有利になる絶好の機会。

イマイチ突き抜けられなかった大島祐哉の、一世一代の大勝負が大阪市中央体育館で始まります。