大人の卓球初心者向けおすすめラバー&年代別のラバー構成

卓球初心者向けラバーは何を選んだらいいのでしょうか?
今回は「大人の」卓球初心者向けにラバーを紹介します。

ちょっと長い前置き

なんで「大人の」を強調しているかというと、一般的に卓球初心者って中学1年生を指すんですよ。だから卓球雑誌とかブログの初心者向けの道具ってたいていの場合は中学1年生向けのものが並んでます。

一方で大人の卓球初心者って、色んな年代がいますよね。20代でバリバリ身体が動く人もいれば、60代になって始める人もいる。

卓球をやる環境だって人によって異なります。中学生の部活と違って、みんながみんな大会に出るわけじゃないです。大人の場合はただ楽しく打てればいいって人が大半で、試合に出るような人は10%ぐらいに限られるでしょう。

つまり大人と中1を一緒くたにして「初心者」ってのは無理があるんです。

前置きが長くなりましたが、大人の初心者向けにラバーを紹介していきましょう。

ラバー名 30代以上の女性 20代の男性 30代〜40代の男性 50代以上の男性
マークV
ヴェガイントロ
GTT45

マークV:迷ったらこれ!初心者御用達ラバー

ラバー名:マークV
メーカー名:ヤサカ
価格:3200円(税抜き)

ちなみに読み方は「まーく ふぁいぶ」です。「まーく ぶい」じゃないですよ。

マークVは1969年に発売された由緒正しき古いラバーで、世界でもっとも総販売数が多いラバーでもあります。
20年ぐらい前までは世界チャンピオンクラスでも使っていました。
今は中1が選ぶ初心者向けNo.1ラバーになっています。

性能の低さがいい

「飛ばなさすぎる」「性能が低すぎる」という評価もあり、初心者でもさらに高性能なラバーにすべきという声も根強いです。それを踏まえたうえで、あえて大人初心者にはマークVを薦めたい。

確かに飛びません。飛ばないからこそ、それなりに腕を振れるようになります。

大人初心者って、ラケットの面を上に向けて持ち上げるように打つ人が多いんですよね。それじゃいつまでも温泉卓球にしかならないんですが、かといってラケットの面を伏せて打つと、ぽとっと落とす。ちゃんと打ってないからです。おそるおそる打ってるから、下に落ちる。下に落ちるのが怖いからラケットの面を上に向けて温泉卓球路線を突き進む。

これじゃいつまでもスポーツにならないんですよ。40代以上の女の人は、たいていこのジレンマにはまってしまいます。

マークVの控えめな弾みであれば、それなりに腕を振ってもそれなりにしか飛ばず、台に収まりやすくなります。だからマークVをおすすめしたい。中1であれば弾みや回転が不足しても、大人の初心者なら大丈夫。断言します。

特に30代以上のママさんにはベストマッチ。50代以上のお父さんにもベスト。
20代〜40代のまだまだ身体が動く男性でも○。

どんな人にでも、1枚目のラバーとしておすすめしやすいです。
売れ筋ラバーなので、どこの卓球ショップにでも置いてありますし、実売価格が2500円ぐらいと安いのも嬉しいところ。

ヴェガイントロ:新し目の初心者向けラバー

ラバー名:ヴェガイントロ
メーカー名:XIOM
価格:3200円(税抜き)

ヴェガイントロは2017年に発売された、新し目の初心者向けラバーです。

性能的には、マークVよりも弾み&回転が強くなり、ちょっと打つのが難しくなるかもしれません。ちょい硬いんですよね。

とはいえあくまで初心者向けのラバーなので、20代の男性にはベストかなと。女性や年配の男性はでもいけると思いますが、不安はある。マークVの方が無難かなという気がする。

ヴェガイントロは「スポーツとしてしっかり卓球をやっていきたい」と思う意識の高い大人初心者であれば、全員に勧められます。

価格はマークVと同じです。実はヴェガイントロは、初心者向けラバーNo.1のマークVをライバル視して発売されたラバーです。なので値段も全く同じにして、性能を現代卓球に合わせて上げてきた感じなんですね。

GTT45:ヴェガイントロを少し使いやすくしたラバー

ラバー名:GTT45
メーカー名:andro
価格:3200円(税抜き)

こちらも3200円の入門向けラバーです。ヴェガイントロよりも少し柔らかいので使いやすく感じるでしょう。ヴェガイントロよりも万人に勧めやすいです。

ただ問題が1つあって、ラバーの厚みが1種類しかないんですよね。1.6mmという厚みしかないので、上達とともに厚みを上げていくということができない。最初は1.6mmでもいいんですが、2枚目のフォア面ラバーは1.8mmにしたいところ。そこがネックで大々的には勧めづらいです。

また取り扱っていない実店舗も多そう。買いに行ったけど無いんじゃ、話になりませんからね。

逆に初心者が1枚目に選ばないほうがいいラバー

・責任感がない
・想像力がない(大人と子供の初心者の環境の違いがわからない)
・卓球道具マニア

この3つの条件を満たした厄介な人が、初心者に勧めがちなのが以下のようなラバーです。

・ヴェガヨーロッパ(通称ヴェガヨーロ)
・ファクティブ

特に一番上のヴェガヨーロッパを勧めてくる人がよくいますが、やめた方がいいです。しっかりとした指導者がついた子供ならともかく、大人の初心者はまず使いこなせません。回転をかけてボールを入れるという感覚が0の大人初心者が使うと、ボールが台に収まらず、上達の妨げになるし楽しくないです。

これらのラバーはいわゆる「スピン系テンションラバー」と呼ばれるもので、卓球のレベル的には初級者〜中級者が使うものです。ヴェガヨーロッパは、ちょっと前まで国内トップ層でも使っている人がいたぐらいです(カットマンという特殊な選手ですが)。

20代男性なら週2練習で1年〜1年半ぐらいしたらヴェガヨーロッパでも…いやまだ早いかな。そういうラバーです。
でも大人初心者の1枚目としては、絶対にNG。
大人初心者を育てた経験がない、卓球用具マニアさんの言うことはあまり真に受けないほうがいいです。

大人初心者のケース別のおすすめラバー構成

最後にケース別にどのラバーを選べばいいのか、構成案を紹介します。

卓球ラバーの難しところは、同じラバーでも「厚み」が違うと特徴が変わるってところなんですよね。
またフォア面とバック面の2つ張らないといけない。
ここが難しい。

ラバーの厚みが変わると何が違うのかを説明すると長くなりますし、多分理解できないと思いますので、それは別の記事でまた書こうと思います。

30代以上のママさん、50代以上の男性

フォア面:マークV 厚み「中」
バック面:マークV 厚み「中」

両面に「マークV」の厚みは「中」を張ってください。最初の1枚目はこれが無難です。基礎打ちが楽に数十回続くようになれば、2枚目以降はフォアの厚みを「中厚」にするといいでしょう。

20代の男性

フォア面:
ヴェガイントロ 厚み「1.8mm」

バック面:
マークV 厚み「中」
あるいはGTT45 厚み「1.6mm」

フォア面はヴェガイントロの1.8mmで、現代卓球の王道ドライブマンの下地を作ります。

バックの方は弾まず、少しやわらかいラバーを張って欲しいですね。
マークVが無難です。ツッツキという初心者の難関技術はこれがやりやすい。打っていくならGTT45でもいいんですが、いつか試合をしたい!スポーツとして卓球をやりたい!というなら、マークVの中でしっかりツッツキやブロックの感覚をマスターした方がいいと思います。

30代〜40代の男性

フォア面:
マークV 厚み「中厚」あるいは「中」

バック面:
マークV 厚み「中」

フォア面のラバーの厚みを「中厚」にするか「中」にするか迷うところ。レクリエーションとしてなら「中」でいいです。スポーツとしてやりたいなら「中厚」の方が伸びしろは良くなるかもしれません。

まとめ

以上、大人初心者向けのラバーを紹介しました。

大人初心者ってスポーツ志向の人もいれば、体育館で人と交流するのが目的の人もいる。色んな人がいるんです。部活と違って、多様性がありまくる。

だから一概に「初心者」という括りでラバーを勧めづらいんですよね。20代で始める男性は、わりとしっかり技術を習得して大会に出るようになるので、新し目の初心者ラバーで練習した方がいいと思いますし、逆に高齢者のおばあちゃんは弾まないラバーでラリーを続けて楽しくやった方がいいです。

最適のラバーを見つけて、卓球を楽しんでください!

ちなみに初心者のラケットについては以下の記事をどうぞ。中1向けに書いた記事ですが、大人でもほぼ同じ。おすすめはオールラウンドエボリューションとスワットですね。

pingpong.hatenadiary.jp