卓球のトップ12(TOP12)は日本一を決める大会ではない
2019年3月3日19時から、フジテレビでトップ12の決勝が生中継されています。
テレビ地上波のゴールデン帯に、卓球の国内大会が生中継される時代が来るとは思いませんでした。
やるとしてもBSフジあたりかなと思ってただけに、驚きましたね。
サザエさんの後に、張本vs水谷って素晴らしすぎます。
ありがとうフジテレビ。
でも一言だけいいですか?
「卓球日本一決定戦」はまずいですよ。
日本一決定戦は「全日本卓球」
トップ12は国内選手のみが出られる大会としては2番目の規模でしょう。
でも「全日本卓球選手権」に比べると、月とスッポンぐらいの差があります。
卓球の日本一を決めるのは全日本卓球選手権です。
この大会の重み、伝統、規模は桁違いです。
1936年に第一回大会が開催されて、普通の人でも全国各地で開催される予選を突破すれば本戦に出場できます。本戦は1週間かけて開催されるほど大規模で、小学生も出場する男女ジュニアの部、男女ダブルス、混合ダブルス、男女シングルスと、試合数は多い。
10回優勝している水谷は、大会1ヶ月ぐらい前から緊張や不安で夜も眠れなくなるほど重視している大会です。
全日本卓球選手権こそが、名実ともに日本一を決める大会と言えるでしょう。
トップ12は全日本とはだいぶ差がついた2番目の大会
トップ12は1996年から始まった大会で、その名の通り12人の選手のみ(今年は特殊な形式で少なかった)による大会です。予選を含めると1000人以上が参加する全日本とは規模が全く違います。
もちろん選ばれる12人は日本のトップなのでレベルは高いんですが、全日本とは重みが違うので、気合いの入り方も違いますね。
卓球メディアでの扱いにもだいぶ差があります。
「卓球王国」という書店流通で唯一の卓球雑誌では、トップ12の扱いは非常に少ないです。数ページってところ。それに対して全日本は数十ページを使って特集が組まれます。
決してトップ12に対して色々と言うつもりはありませんが、全日本と比べてしまうとかなりの差があるってことなんです。
大会のレベル・格は正しく伝えて欲しい
前にこんなことを書きました。
バレーボールの中継ってよくやってるじゃないですか。で、自分みたいにバレーよく知らない人からすると「いっつも似たような大会やってんなあ」って感じで、特に盛り上がれないんですよね。
ワールドカップ、世界選手権、ネーションズリーグ、ワールドリーグ、ワールドグランドチャンピオンズカップ、ワールドグランプリ、アジアカップ…。
もう、わけわかんない笑
卓球も同じようなことにならなきゃいいんですが…。フジテレビの生中継には感謝しますが、煽りすぎてしまうのはちょっとまずいです。
国内大会や海外の大会の「格」は正しく伝えて欲しい。そうすることで、全日本卓球や世界選手権・オリンピックのような、本当に格の高い大会で勝った選手が輝くわけだから。
追記
せっかくの生中継でしたが、まさかの4-0ストレートであっという間に試合が終わり、張本が優勝。冷え冷えの試合となってしまいました…。水谷が恐ろしく調子悪かったですね。
女子の準決勝みうみま戦と決勝がいい試合だったので、フジテレビとしても助かったという感じでしょうか。来年もぜひ中継して欲しい