【世界卓球2019選考会】加藤美優が5-10から執念の大逆転で早田ひなを破る

執念の人、加藤美優(かとうみゆ)。

日本トップレベルの力がありながら、どうしても1つ下の伊藤美誠、平野美宇、早田ひなの2000年生まれトリオの影に隠れがち。
中国を下して優勝した2016世界ジュニアでも、2000年生まれトリオが出ずっぱりで加藤の出場はほとんどありませんでした。

そんな加藤美優がやってくれました。

世界卓球2019の出場をかけた、最終選考会の準決勝・早田ひな戦。
お互いにとっての山場の試合で、見応えのある名勝負が繰り広げられました。

最終ゲーム5-10で早田ひながマッチポイントを獲って万事休すかと思われましたが、そこから6連続ポイントで11-10と逆転。代名詞とも言えるしゃがみ込みサーブで立て続けに崩し、最終的に13-11で勝利する劇的な展開でした。

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青ざめる早田ひな

5-10のイージーリードがどんどん縮んで追いつかれた時、早田ひなの顔はもう青ざめているように見えました。

上品というか、ちょっと気が弱いというか。
同年代の伊藤・平野と比べるとナイーブなところがある早田ですが、悪いところが出ちゃったような気がします。

いい時はいいんだけど、追い込まれると淡々と負けちゃう。
伊藤美誠のようなふてぶてしさがあんまりない。泥臭さがあんまり感じられない。

最後は加藤のしゃがみ込みサーブがレシーブできず万事休す。
浮かせて3球目打たれたり、逆にネットにひっかけたり。

1、2ゲームを簡単に取って、圧勝する展開からのまさかの敗戦に、呆然といった感じでした。
ちょっと目の瞳孔が開いているような、何が起こったのか理解できないような、そんな顔。

殺し屋のような目の加藤美優

そんな早田ひなとは対照的に、加藤美優の目はもはや殺し屋・アサシンレベルの鋭さ。
お前を食ってやるぞ、と言わんばかりの形相でした。普段からそういう表情が垣間見える選手ですが、世界卓球代表をかけた試合ですから、全日本より気合い入ってたんじゃないでしょうか。

平野早矢香が「卓球の鬼」なら、加藤美優は「卓球アサシン」とか名付けられそうなレベル。
こういう選手、大好きです。

負けたら地獄の「本番」は見てて面白い

負けた早田ひなは、世界卓球本戦で得られるかもしれなかった大きなポイントも逃し、東京オリンピック代表の座を引き寄せることはできませんでした。逆に加藤は決勝で森さくらを破れば2年ぶりの代表です。

いやーこれこそ「本番の卓球」って感じの試合でした。

負けても次があるTリーグとは違い、負ければ東京オリンピックが遠ざかるガチンコ対決。
まさに夏の高校野球のような緊張感。

明日のトップ12本戦よりはるかに熱が入った名勝負でした。
2人に拍手です。
いい試合をありがとう。

(追記)

決勝にも勝利して2017年以来の世界卓球代表の座を獲得しました。以下の文面からも、ここ1年ぐらいの苦悩がうかがえますね。

本当におめでとうございます。早田ひなの分まで大暴れしてきてください!