ブライス(バタフライ)が廃盤に

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以前のブライスパッケージ

1997年に登場した初のテンションラバー「ブライス」がついに廃盤となります。まるでディグニクスと入れ替わるように、一時代を築いたラバーが消えることになりました。

2019年2月21日で廃盤なので、思い出に購入しておきたい人はお早めに。

廃盤されるブライスは4種類

【廃盤】
・ブライス
・ブライスFX
・ブライススピード
・ブライススピードFX

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現在のブライスパッケージ

【継続】
・ブライスハイスピード

ブライスとは?世界初のテンションラバー

バタフライは時代ごとに画期的なラバーを開発しており、ブライスもその1つでした。

ブライスからさかのぼること30年前の1967年に発売された「スレイバー」は世界初の高弾性ラバーとして、その2年後に発売されたマークVとともに世界のトップから愛用された伝説ラバーです。
その後80年代に入りバタフライはブライスの開発に着手します。

当時はまだスピードグルーの使用が許可されていた時代で、スレイバーやマークVにグルーを塗って弾みをあげているいました。ブライスは「最初からスピードグルーの効果を内蔵させたラバー」というコンセプトで91年〜92年頃には最初の試作品が完成します。

ただしその時点では「耐久性」という致命的な問題が残っていました。ハイテンション技術をトップシートに内蔵させると、ラバーがすぐに劣化してしまい、数カ月の使用にはとても耐えられなかったのです。

さらにトップシートの改良を進めて、ようやく市販化にこぎつけたのが97年。現在の主流となっているテンションラバーが誕生した瞬間でした。

2008年のテナジー以降は影が薄くなる

スピードグルーの使用が禁止された2008年の北京オリンピック後には、同じバタフライの「テナジー」が爆発的な人気を見せるようになります。ブライス開発時にはトップシートの開発に専念しており、スポンジまでは改良があまりなされていませんでした。そこでバタフライはスポンジ部分に開発を集中して、テナジーで使われている「スプリングスポンジ」を世に生み出します。

グルーが使えなくなったという制度的に背景も後押し、トッププレイヤーは一気にテナジーに流れ込み、ここ数年はブライスはほとんど使われなくなっていたのが実情です。

なぜかブライスハイスピードという新製品をちょっと前に出すなど、まだまだバタフライはブライスを延命する気なのかな…と思っていた矢先の廃盤。ついに世界初のハイテンションラバーが消えることになりました。

廃盤時の価格は5000円。まあ今や5000円出せばもっといいラバーいくらでもありますからね。ブライスは役目を果たしたって感じです。直線的な弾道が現代ではあんまり受けない。今はもっと弧線を描いてスピードも出るラバーたくさんあるから。

ブライス以外の「世界初」ラバーの現在

世界初の裏ソフト:ヤサカオリジナル(1951年〜現存)
世界初の合成ゴム高弾性:スレイバー(1967年〜現存)
世界初のハイテンションラバー:ブライス(1997年〜廃盤)

ヤサカオリジナルやスレイバーよりも先にブライスが無くなってしまいました。バタフライは少数精鋭的なラインナップの傾向があるため、残ったスレイバーもちょっと心配です。まだ10年ぐらいは残るでしょうが。

以上ブライス廃盤についてお伝えしました。

ブライスが消えて、テナジーの改良版ディグニクスが誕生。着々と時代は変わりつつあります。

pingpong.hatenadiary.jp
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