【フォア打ち害悪説】死んだボールを打ち続けても一生卓球は上手くならない
平日昼間の体育館や卓球場に顔を出してママさんたちを眺めていると、いつも思うことがあります。
死んだボールを打ち続けても、一生打ち続けても、寿命が尽きるまで打ち続けても、絶対に卓球は上手くならない。
これは断言できます。
フォア打ちのボール=死んだボール
昼間の体育館では、卓球キャリア10年以上の人たちが何時間もフォア打ちをポコポコ続けています。特に女の人に多いですね。いわゆるママさん。
この手のママさんは驚くほど卓球がうまくなりません。普通は1年ぶりぐらいに会うと「おお、上手くなってる」「進歩している」って感じるじゃないですか。中学生なんて3ヶ月ぶりに見るとガラッと変わっていて、別人かと思うぐらい上手くなってたりします。
でもママさん相手にそんなことを思った試しがないです。
なぜ大多数のママさんは卓球が上手くならないのか。
それは毎日毎日、飽きもせずに死んだボールを打ち続けているからでしょう。
フォア打ちのボールなんてのは、回転もスピードもコースも綺麗そのもの。病院の無菌室よろしく綺麗なボールです。そんなものはフォームが悪かろうが体調が悪かろうが、打ち返せるのが当たり前です。
あんな死んだボールを丁寧に打ち返す練習をして、何の技術が身につくと思っているのでしょうか?ホントよくわかりません。
死んだボールを綺麗に返すコントロール力なんて何にも役に立たない
そういう人に話を聞くとたいてい「コントロール力を身につけるため」とか、それっぽい答えは返ってきます。いやいや、死んだボールなんて現実の卓球ではまずこないんだから、それを綺麗に打ち返す能力を身につけても意味ないんですよ。
これっぽっちも役に立たない技術を、一生懸命身につけようとしているママさんを見ると本当に可哀想になります。
卓球は「生きているボール」を何とか台に打ち返すスポーツ
フォア打ちのボールが死んだボールなら、生きているボールって何でしょうか?
・どこにくるかわからないボール
・浅いボール、深いボール
・サイドを切るようなボール
・ミドルをついてきたボール
・めちゃくちゃ上回転がかかったボール
・下回転のボール
・ナックル
・横回転がかかったボール
・回転はかかってないけど速いボール
・高いボール
・ネット際で浮いたボール
…挙げたらキリが無いんですが、ようするにフォア打ち特有のあの綺麗なボール以外は全部生きているボールです。こういう生きたボールを打ち返すのが、卓球っていうスポーツなんですよね。
卓球とは?
× 死んだボールを綺麗なコースに打ち返す
○ 生きているボールをどこでもいいから台に入れる
生きたボールを打ち返すには足や身体を使って打たないといけない
死んだボールを打つのにフットワークなんて必要ありません。体重移動もいらないし、身体の捻りもいりません。だから死んだボールを打ち続けている人は、そういう本質的な技術が身につかない。
生きたボールを打つには足や身体を上手く使う必要があります。足や身体のパワーを最終的に腕に上手く伝えて、ボールを自分の力で打たないと台に入らない。全身を使って打つ必要があるんです。
死んだボールを身体を使って打っている「振り」をしているママさん
ママさんにありがちなのが、上っ面のフォーム。上っ面で足を動かして、上っ面で体重移動して打っているように見せかけたフォーム。あれ何の意味があるんだろうってずっと疑問だったんですが、ようするに周りの人に褒められるためなんですよね。
「ああ、いいフォームになってきたね」
「上手になってきたよ」
って自分よりちょっとだけ長く卓球をやっている同じサークルのお局さんに、褒められるためだけの上っ面のフォームなんでしょう。
上っ面で身体を使って打っている振りをしたフォームでは、生きたボールは絶対返せません。実際にママさんたちはさっぱり打ててない。だから死んだボールを打つ練習に戻る。
・世の中のママさんにありがちなループ
死んだボールを打ち続ける(フォア打ち)
→ 何の役にも立たない上っ面のフォームが身につく
→ 生きたボールが打てない
→ じゃあ死んだボールでもっと練習だ!
→ 最初に戻る
→ そのうち寿命が尽きる
…これ、悲劇じゃないですか。もっと楽しい卓球の世界があるのに、そこに行き着く前に寿命が尽きる。可哀想。
もっとママさんは自由にボールを打ったほうがいい
決まったコースで綺麗なボールを打ち続ける、型にはまった打ち方ばっかりしていると何の技術も身につきません。もっとママさんは色んなボールを打つ練習をしたほうがいいです。
上手いおじさんにブロックしてもらってひたすらスマッシュを打ち続けるとか、できなくてもドライブに挑戦してみるとか。全力でボールを打ってみるとか、逆に全力のボールを打ち返してみたりとか。
そうやって自由な打ち方、自由な練習をすることで身につくことって絶対あるんですよ。中学生の男子が女子よりもボールタッチや身体の使い方が上手くなるのは、遊びで色んなことやるからです。中学女子みたいにフォア打ちとツッツキばっかりやらず、背伸びして色んな練習をするから、女子よりも早くいろんな技術が身につくんです。
世の中のママさん。
ポコポコと高速にフォア打ちをするだけの練習から、一歩だけ外に出てみませんか?
フォア打ちしかやりたがらない相手とは練習せず、もっと色んな人と色んな練習してみませんか?
さらに卓球が楽しくなるはずですよ。