フォアの体重移動を覚える方法

「身体を使って打て」

「体重移動しなさい」

「右足でためて、左に乗せ替える」


いくらこんなことを言われても、初心者はさっぱりわからないと思う。
小中学生はもちろん、頭を使って考える大人の初心者でも、体重移動だけは理屈がわからない人が多いはず。

初心者に体重移動を教える方法として「スマッシュ」を自分はオススメしたい。

まずは全力でスマッシュを打つ

体重移動を覚えたい側はスマッシュを打って、相手はブロックで軽く返す。
これを繰り返す。

ドライブではなくあえてスマッシュにしたのは、初心者がドライブを打とうとしても力が「上」に逃げちゃいがちだから。
せっかく足に体重を乗せても、スイング方向が上向きになるので、力が逃げる。
つまりためた体重が、ふわっと消える。
また、どうしても後ろ体重になりがち。

でもスマッシュだと「前」に体重を乗せられる。
ボールに体重を乗せて打つ意識が強くなる。

で、スマッシュを打つ時に実践しておきたい重要点が2つと捕捉点が2つ。

重要点1:体重は右でためて「左前」に乗せかえる

× 右から左に体重を移動する ←うまくいかない

この教え方だと上手くいかない感触がある。
スタンスが右足後ろの子には、右から左と教えてもそれなりに上手くいく。
左足は右足の前にあるので、自動的に「左前」に乗せかえるから。

でもスタンスが平行気味の子に右から左と教えると、体重を真横に移し替える。
これは初心者には難しいし、かかとに体重が乗って、のけぞるような打ち方になりやすい。

だから「右から左前」と教えると上手く行きやすい気がする。


× 後ろから前に体重を移動する ←うまくいかない

後ろから前でスマッシュを打つと、前時代的な打ち方になる。
高いチャンスボールを決めきるスマッシュならそれでもいいけど。
体重移動を教えるのなら後ろから前は極端。


というわけで、体重は右でためて「左前」に乗せかえるというのが1番上手く行くんだろうなと感じてます。

重要点2:体幹・腹筋に力を入れる

もう1つ大事なのは「体幹に力を入れる」ってこと。
体幹に力を入れないで、ふにゃっとしたまま体重移動をしても意味がない。
絶対うまく打てないし、威力・安定感も向上しない。
だからいつまでも初心者は体重移動のメリットがわからず、感触もつかめない。

体幹に力を入れたうえで、体重移動をするからしっかり打てる。

体幹に力が入ると自然と身体が一本の「軸」みたいになる。
ぶれない。
強く打てるし、安定する。


体重移動だけじゃうまくいかなくて、体幹に力を入れるってのをセットにするといい感じっぽい。
体幹がさっぱり無い子供はちょっとここ教え方が難しいけど・・・。中1女子とか。

捕捉1:左前に乗せた体重は左足で踏ん張って、重心は身体の真ん中に戻る

左前に体重を乗せて、重心がそのまま左足よりも左にいっちゃう初心者が大半。
これは絶対NG。
ようするに前時代的なスマッシュになる。

左足に体重がグッとかかるけど、それを左足でしっかり踏ん張る。
そうすると重心が身体の中心に戻る。
打って球がラケットから離れた瞬間には、もう重心は真ん中にないとダメ。

そこで重心が左に乗りすぎていたり、最悪の場合左足よりも左側にいくと、身体が流れる。
連打もできないし、かっこ悪い。大昔のおじいさんみたいな打ち方になる。

注意点として、最初から体重を真ん中に戻そうとしないってこと。

右足→左前→左足で踏ん張る→真ん中に戻す

こういうステップを初心者は踏まないと、体重移動の感触が掴みづらい。

以下の動画ではWRMのやっすんが体重移動について解説している。
で、右から左に移しすぎると身体が流れてしまうので、真ん中に戻すと説明している。
でもこの考え方は、これから体重移動を覚えようとしている初心者は取り入れないほうがいい。
www.youtube.com

まずは左前に適度に体重を乗せて、それを真ん中に戻す。
初心者が体重移動を覚えるにはこれがいい。

捕捉2:あまり手を伸ばさず身体の近くで打つ

身体の近くでボールを打つ。あまり腕を伸ばさない。
身体の遠いところのボールを打とうとすると、手が伸びて、手打ちになりやすい。
近いボールは腕を折りたたんでコンパクトに打てるので、力が入りやすいし、体重移動もシンプルになる。


以上の重要点2+捕捉2で、フォアの体重移動の感触がつかめるのではないか。
なにはともあれ、まずは全力でボールを打ち続けるという環境が必要。

「コントロール」なんて考えてたらいつまでも体重移動は身につかない。
寸分違わず狙って打ちなさい!みたいなことばかり初心者には言っちゃダメだ。
楽しくないし、身体を使って打てなくなるし、体重移動が身につかない。