厚くて高い中国の壁。カタールOPで日本女子トップ3は全滅
東京オリンピック出場に大きな影響力があるカタールオープン。年間6大会しか開かれない「プラチナ」という格の高い大会で、なおかつ1ヶ月後の世界卓球の前哨戦といった位置づけなので、日本選手は相当気合い入っていたでしょう。しかし準々決勝まで女子トップ3は全滅してしまいました。
石川佳純は1回戦で孫穎莎に0-4。
孫穎莎は伊藤・平野らと同い年の世界ランク18位で、次代の中国女子を支えるエース候補の1人ではあります。でもまだ現在はトップ5に入る感じではありません。丁寧らトップと比べると明確に差がある。
平野美宇は2回戦で何卓佳に2-4。
「なんちゃん」「へーちゃん」こと何卓佳は、バックに粒を張った中国では珍しいタイプで最近売出中の選手。とはいえ中国の中では5番手〜10番手に留まっている中堅ポジションです。
伊藤美誠は準々決勝で丁寧に0-4。
丁寧は説明不要の五輪・世界卓球の現女王。伊藤美誠は丁寧に結構勝っているという報道がよく見られますが、通算成績は2勝6敗です。
ちなみに早田ひなは予選で破れました。
中国の足元には及んできた
これが現在の日本と中国の実力差です。中国の壁は恐ろしく高く、そして厚い。
ネットの掲示板やTwitterでは「平常運転」「いつも通り」という声が大多数です。私もそう思います。日本は常に中国に負け続けていて、勝つのはごくごくごく稀なんです。たまーーーに勝つ。
よく「足元にも及ばない」という表現がありますが、そこまでの差は無いと思います。今の日本と中国の関係は「足元には及んできた」といった感じでしょう。ようやく足元には来た感じ。でも、まだ足元なんですよね。
中国の凄さを2行でまとめるとこんな感じ。
・中堅クラスですら日本トップをぼろくそに破る
・世界卓球やオリンピックなどの本番では強さが2倍になる
特に2行目。本番にめっちゃ強いんですよ中国って。
世界卓球で外国人選手に負けようものなら国内でボロクソに叩かれるし、国家チームでの居場所が無くなるから選手はマジで必死。チームも全面的なバックアップをする。コピー選手まで作っちゃうんですから異常です。
そういう中国相手に、世界卓球やオリンピックのような本番で勝つ難しさって、言葉では形容しがたいものがあります。そんなことをあらためて思い知らされたカタールオープンでした。
…それでも、それでも伊藤美誠なら何かやってくれるのではないか。そういう希望だけは捨て切れません。