2017世界選手権男子シングルス日本代表について
ITTFのサイトに2017年世界選手権男子シングルスの出場5枠について歯に衣を着せない毒舌な意見が載っていたので紹介。とは言え私の英語力は中学生レベルなのでしっかり読み切れていない箇所もあるのでご了承ください。
日本男子シングルス出場5選手は以下の通り。
水谷
丹羽
松平健太
村松
張本
まず水谷、丹羽については全く文句なしの選出と述べた上で、松平と大島祐哉(世界選手権出場枠を決める大会の1位と2位だった)のどちらかでも正しい選択肢だが、松平は調子の悪い時は世界ランク150位以内の選手の誰に負けても不思議では無いが、調子のいい時はトップ5の選手にも自分のプレーを押し付ける強みがあるので、松平健太は正しい選択だっただろうと述べている。
そして、村松と張本については選出に疑義を唱える論調だ。
まず村松は2016年末の世界ランクで自動的に選ばれているが、これは早すぎたと述べている。2017年に入ってからの村松の戦績を見ればそれは一目瞭然だと。さらに中国選手相手にゲームを取れる可能性が全くないじゃないかと厳しい言葉を投げかけている。
張本については「若さ」を重視して選んだ日本協会にクエスチョンマークを投げかけている。2020年東京オリンピックを意識して若い選手を選んだのだろうが、17歳の選手を日本が本当に代表に選ぶのだろうか?という感じ。
で、最後に吉村真晴が選出されてないぞと。村松・張本よりも吉村を選ぶべきだったという感じで記事を締めくくっている。以上です。
初心者向け卓球ラケットは何がいいのか
この記事ではこれから卓球を始めようとする初心者向けに「ラケット」の選び方を解説しています。
基本的に部活でこれから卓球を始める中学生をイメージして書いています。
大人の初心者さんでも同じことが当てはまるので参考にしてください。
最初に選び方の鉄則を解説して、その後でオススメのラケットを3本紹介しています。
もし選び方に興味がないのなら「スワット(グリップはFL・フレア)」を買ってください。
実売価格は4000円を切るほど安いのに、初心者から中級者まで使える超人気ラケットです。
初心者向けとしてはライバルが存在しないほどに1強となっちゃいました。
目次
今年も4月が来ました。
オリンピックの影響で卓球部に入部する新入生も増えるんでしょうか?
卓球は道具の影響が極めて大きいスポーツ。
初心者向けのラケット選びに失敗すると何年もそれが尾を引くとも限りません。
親御さんは慎重に選んであげてほしいです。
初心者ラケット選びの鉄則
まずはラケットの基礎知識を。
ラケットは「木の部分」と「ゴムの部分」がありますよね。
温泉卓球などで使われるおもちゃのラケットは木とゴムが最初から一緒になって売られています。
しかし競技向け、つまり部活などで使われるものは木とゴムは別々に買わなければいけません。
卓球界ではラケットとラバーと呼びます。
ラケット…木のこと
ラバー…ゴムのこと
この記事ではラケット選びのことしか書いていません。
ラバーはまた別の機会に書こうと思います。
鉄則1:定価4000円以下の安物は買わない
ラケットは消耗品ではないため、中学3年間ずっと使えます。
だからあんまりお金をケチらずに、それなりのものを買って欲しいですね。
定価5000円以上出せばトップ選手でも使える素晴らしいラケットがゾロゾロあります。
逆に3000円台ではあまりにも弾まなかったり、変な打球感のラケットが多くて、練習の妨げになるでしょう。
5000円と3000円のラケットの価格差は2000円ですが、中学3年間ずっと使うと考えると微々たる差です。
しっかりした品質のラケットを買ってください。
この記事の最後に初心者向けラケットでオススメのものをいくつか紹介してます。
いずれも実売5000円台以下で買えるものばかりです。
逆に、ラバー(赤と黒のゴム)は消耗品なので、3ヶ月〜6ヶ月で定期的に張り替える必要があります。
あんまり高いのを使うと親御さんの財布に直撃しちゃいます。
鉄則2:弾みすぎるのは買わない
弾みすぎるラケットを買うと、初心者はボールが飛びすぎて台に入りません。
身体を使ってボールを飛ばして台に収める技術を習得するためにも、弾みすぎるラケットは避けてください。
また、弾みすぎるラケットは硬いものが多く、回転をかける感覚を養いにくいです。
柔らかいラケットほどボールをぐっとラケットで掴んでくれるのでそのぶん回転をかけられる時間が長くなるんですね。
手打ちではなく身体を使った打ち方を覚える。
しっかり回転をかける打ち方を覚える。
この2つは初心者の初期設定としては非常に重要。
弾みすぎるラケットを最初から使わない方がいいです。
鉄則3:ペンではなくシェークにする
これはペン愛好家の人のは怒られるかもしれませんね…
でもね、今の卓球はシェーク全盛なんですよ。
ペンで6年間やった人が大人になって卓球再開してシェークに転向する人だっているぐらいなんですよ。
なぜシェークがいいのかを書くとペンの人から反発されそうですが、
・バックの技術が多彩
・シェーク人口が多くて周囲に参考になるプレイヤーが多い
・単純に打ち方や道具がかっこいい
まあ諸々です。
中学の部活では「他校のペン対策」をするために部内にもペン要員を置こうとしますが、お子さんが運動神経があるならばシェークにした方が無難です。
鉄則4:グリップはフレア
ラケットのグリップ部分の形状は代表的なものだとフレア(FL)とストレート(ST)の2つがあります。
現在の主流は断然フレア。
手の小さな中学生でも握りやすい形状です。
圧倒的にフレア率が高いので、人のラケットを借りるときもスムーズに対応できます。
ストレートの良さも色々とあるんですが、ここはフレアにしておきましょう。
重すぎるラケットは買わない
ラケットは木材で作られているのでどうしても重量の個体差があります。
中学生が使うなら重すぎるラケットはNG。
男子でも90gは超えない方が無難ですね。
重すぎるラケットはしっかり振れなくなりますし、手首などを痛める原因にもなりやすいです。
力が入りすぎて技術習得の妨げにもなります。
重量は85g前後が無難です。
女子はもう少し軽くてもいいけれど、あまり軽すぎると弊害が出るので難しいところ。
できれば卓球ショップに行って重量を計りながら、店員さんと相談して決めてほしいですね。
初心者ラケットで個人的に特にお勧めしたい3本はこれ!
・スワット(TSP)
・コルベル(バタフライ)
・オールラウンドエボリューション(STIGA)
個人的にはこの3つをお勧めします。
最初の1本目としては過不足無いです。
特に、迷ったら1本目に「スワット」ってのはもう鉄則になりつつあります。
スワット(TSP) 5200円(実売4000円〜4500円ぐらい)
スワットは卓球雑誌・卓球王国が発表しているラケット売上げランキングで、何年も1位を独占しているモンスターラケット。
ここ3年間で1位を逃したのはたったの1回だけ。
そのぐらい圧倒的に売れてます。
売れる理由は、初心者でも使えるのに、世界選手権出場選手も使っているという万能性でしょう。
弾み&しなりのバランスが現在使われているプラスチックボールにマッチしていると思いますね。
癖が無くて誰でも扱いやすいです。
重量も軽いものが多いので、非力な中1女子でも問題なく振れますね。
重心もグリップ寄りなので細かい技術を覚えやすく、切り返しやすく、実重量より軽く感じる。
そして、何といっても安い!ここ重要!
値上げする前は定価4800円でした。
値上げして5200円になってしまいましたが、一般的なショップだと2割引きされるので税込みでも4492円と安いですね。
amazonなら3800円ぐらいで売られています。
迷ったらこれをとりあえず買っとけば間違い無しの、初心者にとってのスーパーラケット。
間違いなく中学1年生の使用率はダントツNo.1のラケットです。
もしグリップを握ってみてちょっと太いと感じるようだったら、2019年からはグリップが少し細くなった「スワット スリム」も売られています。男子は普通のスワットで問題ありませんが、小柄な女子はスリムの方でもいいかもしれません。
コルベル(バタフライ) 5500円
売り上げランキング: 39,527
何十年にも渡って受け継がれてきた定番のラケット。
しっかりとした打球感で正統派両ハンドドライブ型に育って欲しい男の子には是非。
現在のモデルは裏にピンクのホログラムが入ってて中学生受けもしそうです。
高騰化を続けるラケット界にあって5500円を貫き通す異例のラケットです。
欠点としては中学生にはちょっと重い。
買う前にかならず重量を確認して、90gオーバーは避けるようにしましょう。
スワットの人気でちょっと影が薄くなってしまった感じはありますが、人と違うのがいい!という男子にはうってつけ。
オールラウンドエボリューション(STIGA) 6900円
今をときめく平野美宇が長らく使っていたオールラウンドエボリューション。
通称オルエボ。
ちなみに去年引退した平野早矢香さんも使っていました。
こちらもコルベルと並んで王道の5枚合板として初心者から上級者にまで愛された一枚。
しかし価格改定でちょっぴりお高くなってしまいました。
欠点としては海外メーカーのラケットなのでグリップが若干太めってところ。
普通のフレアグリップは中学生には少し太いかもしれません。
その場合はスリムフレアという細いグリップもあるので店頭にあれば実際に握ってみてください。
その他の初心者向けおすすめラケット
とりあえず3つ紹介しましたが、これ以外にも初心者に適したラケットはたくさんあります。
- ラティカ(ニッタク) 6500円
上で紹介したコルベルと似ている木材構成のラケット。
- スウェーデンエキストラ(ヤサカ) 6300円
- スウェーデンクラシック(ヤサカ) 5800円
エキストラの方がちょっと弾みます。
長く使うならエキストラかな。
- スワット5PW(TSP)
スワットを弾まなくしたラケット。
グリップもちょっと細い。
手が小さい小学生の初心者にはいいかもしれません。
男子は普通のスワットをおすすめしますが、女子ならこっちでもいいかも。
ただ、うまくなるにつれて弾みが物足りなくなる可能性はあります。
- メイスパフォーマンス(バタフライ) 5700円
軽い個体が多く中学生の女子に人気があるイメージ。
この記事に書かれたラケットであれば、基本的に初心者が持て余すことはありません。
弾み過ぎたり硬すぎたりで、これから卓球を始める人の技術向上を妨げるような変なラケットは1本もありません。
価格的にも4000〜5000円台で購入できます。
以上、参考になれば幸いです。
androのラザンターの評判やいかに
ラザントシリーズを廃盤にしてまでも発売したandroのフラッグシップラバーの「ラザンター」。
ここで自分が書いた予想は見事に全部裏切られましたね。
「ヴェガに対抗できるようなスピン系テンションを定価4000円前半で出すんじゃないか」なんて書いてた自分が恥ずかしくなります。
むしろ定価は6000円オーバーとさらに高くなってる。
定価4000円のスピンテンション市場は売れ筋
「定価4000円程度のスピンテンション」ってのは超売れ筋なんですよ、今の日本では。
だって用具って圧倒的な競技者を誇る中高生にどれだけ売れるかで決まるでしょ?
andro張ってるのは大人の用具マニアだけ。
中高生のスピンテンションならヴェガが圧倒的に多く、レベル高くなるとファスタークやv15が増えてくるイメージ。
だからここを狙ってニッタクもファクティブっていう4000円スピンテンションを投入してきた。
これは指導者層にも受けが良さそうで売れるんじゃないですか。
ヴェガヨーロの対抗馬になりうるでしょう。
なぜandroはこの市場に参入しないのか。
androは日本国内向けにラバーを作っているわけじゃない
ようするにandroって日本国内のニーズに対してラバーを作ってないんでしょう。
なんたって本社はドイツの卓球ショップなわけだし。
いくらTSPが代理店とは言えヴェガを作っているのは韓国のXIOM。
このメーカーのラバーが初中級に爆発的な人気を博してるという事実を踏まえて、androもそのポジションを狙ってくるんじゃないかと思ったんですけどね。
とにかく今のandroって知名度無いに等しいですよね。
たまに中高に行くんですがandro張ってる子なんてほとんど見たことないです。
実売3000円台でスピンテンション出せばある程度は売れるし、ブランド力も高まるし。
良いことだらけだと思ったんですけどねえ。
評判はどうなんだ
まあ話逸れましたけど、別に中上級向けの実売5000円付近のラバーに特化するのは別にメーカーの勝手なので自分がとやかく言えることじゃありません。
でもね、肝心のラザンター自体が正直評判がいいようには見えないです。
WRMがかなり煽って宣伝してましたけど。
コメント欄まで含めて不満爆発。
WRMはandroの重要販売チャネルだし、別にandroの宣伝するのはいいんですよ。
ステマなんかじゃなくて普通の営業活動です。
でもあまりにも売り文句が強すぎるんですよね。
「ラバーの革命」「テンションラバー以来の発明」はちょっと言いすぎでしょう。
それはいくらなんでもバタフライに失礼だ。
ただショップによると評判は上々だと(ラバーごとの売上比率が書いてあってこれはいい資料)。
アンドロの「ラザンター」ですが、... - トランスポーツ楽天市場店(卓球用品、スポーツ用品、他。卓球ラバーは送料無料。) | Facebook
どうなんでしょうね。
まだ使ってない身でアレコレ評価できないので歯切れ悪い記事になっちゃいました。
10分にも及ぶ歴代最長ラリーと女子カットマンの試合が長すぎ問題
10分にも及ぶ過去最長のラリーが2017カタールオープンで繰り広げられた。
「10秒でも十分激しいのに10分!?それは凄い!」
…などと卓球愛好家で思う人はいないでしょうね。
ああ女子カットマン同士の試合なんだろうとすぐに見当が付くからだ。
ダイジェスト版
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フルバージョン
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カットマンも卓球の多様性を支える重要な戦型だし、対戦してて楽しいと感じるのは確か。
でも女子カットマンの試合のこういうのは正直どうなんだろうと思っている人は多いのではないか。
「選手は命がけでやってる」「人を楽しませるために選手は試合をやっているのではない」という考え方も深く頷く一方で、フルバージョンの後半などを見ると試合をしているようには見えない。ただの練習、それも強度の低い練習のようだ。コメント欄でも「よく訓練されたアマチュアチームのウォーミングアップを見ているよう」と言い得て妙なものが見られる。
試合時間が長い
まあ見てて面白いかどうかはさておき、試合時間が長くなりがちなのは各種大会でも問題になったりする。
特に女子カットマン同士の試合はいつまでも攻めない。
男子だとメンツとか色々と考えるのか、ダラダラせずにどっかで攻守問わずバシッと打ちたがってそこでラリーが途切れる。
あるいは中学生とか地区大会ぐらいのレベルだと技量的にそんなに続かないので適度に途切れる。
でも県大会上位や全国クラスだと、続けようと思えばいくらでも続けられるので女子はいつまでも終わらない。
そのテーブルだけ試合時間が伸びてしまって全体の進行に影響が出始めちゃうこともしばしば。
選手を責めるつもりは全く無いけれど、たまに運営側の苦悩を目の当たりにするとどうにかならないものかと思案してしまう。
androのラザントが全て廃盤という衝撃的なニュース
ティザー広告のように「重大発表」を予告していた、国内でも一部熱狂的ファンのいたドイツの卓球用具メーカーandroからなんと主力ラバーシリーズであるラザント(Rasant)シリーズが全て廃盤になるという衝撃的なプレスリリースが出された。
http://www.andro.jp/?post_type=event&p=3956
マジですか…
ラザントと言えばandroの屋台骨を支えている主力ラバーシリーズ。
ぐっちぃ氏のWRMが一押しすることで初中級の卓球マニアの間で支持されてきた。
まさか全て廃盤になるとは予想だにしていなかったので驚き。
もしこのままラザントの後継が出ないとすると残るはプラクソンシリーズのみとなってしまうわけで、ちょっとandroのラバーのラインナップは歯抜けどころかガタガタになってしまう。
おそらく後継が出るのだと予想されるがどうなのだろう。
続報があれば更新したい。
以下どんどん更新中。
後継ラバー「ラザンター」発表
androの衝撃の重大発表、会社宛にメールがキタ━━━(゚∀゚)━━━!! 。マジか〜〜〜〜まさかのRasantシリーズ全部廃盤。RasantPowerGripもRasantGripも・・・ぜんぶ、ぜーんぶ廃盤。 #takkyu #卓球 pic.twitter.com/ArKsKquK23
— [卓球]WRM公式 (@wrmosabe) 2017年2月1日
ラザンターという名前で後継シリーズが無事に発表された模様。
いや驚いた。ラザントが売れなさすぎてandro国内撤退か!?ぐらいに思ってしまいました。早とちり。
しかしこのネーミングはどうにかならないのか。
似すぎてませんかね。
ぐっちぃさんとandro社長さんとの小芝居
WRMと言えばandroにとって最重要の広告チャネルみたいなところがあるのでぐっちぃさんがラザントの廃盤および新シリーズのラザンターの存在を事前に知らなかったはずは無いんですが、まあその知らなかったという設定でandro社長のジョージさんと電話で話すという小芝居。
ラザンターは2/7、2/8に卓球業者限定の試打会が行われるので春からの発売を前にレビューは見る事ができそうですね。
性能的にはラザントに比べて落ちるという事は無いでしょう。性能アップは間違いありません。
一番の問題は価格なんですよね。
正直ラザントは高すぎました。
トップ選手はあまり使っておらず、一般のアマチュア愛好家にとっては性能が未知数にも感じるラザントにそのお金を出すんだったら、トップ層にも定評があるファスタークとかにするよね、みたいな空気は確実にあったと思います。だからラザント使ってるのは日本では一部の中級のマニアに留まっていました。
TSPが取り扱っているとはいえXIOM(エクシオン)という一般的には認知度の低い韓国メーカーが作っているVEGA(ヴェガ)が初中級に爆発的に売れて地方の指導者からもマークVを差し置いて新入生に勧められるぐらい定着し、卓球王国の用具ランキングに確実に乗ってくるのに対して、androラバーが全くランクインしないのは何よりもまず価格の問題があったでしょう。プラクソンは安いけどスピード系テンションだし。スピンテンションで安いってのはそれぐらい大正義だった。
ということで「スピン系テンションで、最新のドイツ由来の技術を取り入れたラバーを、ヴェガに対抗できるだけの価格で出す」。
andro的にはこのような思惑があり新シリーズへの切り替えを断行したと思われます。
なので、少なくともラザンターの中でも初中級ターゲットにしたラバーは定価4000円台の前半で出してくるんじゃないかと。
中上級ターゲットレベルはエクシオンのオメガと同じく定価5000円超えてもいいと思うけど、とにかく初級レベルから使えるスピンテンションを実売3000円台半ばで出さないと、androラバーは今後も一部のマニアにしか受けない日陰な存在のまま。
さてどうなるか。
全ラインナップが定価5500円とかだと個人的にはずこーってなります。
旧ラザントビートあたりのラザンター版は絶対にヴェガDFと同じ定価4200円ぐらいで出さないと。
突然消えてしまった愛ちゃんに思うこと
リオオリンピック後に結婚を発表してそのまま卓球界からフェードアウトしてしまった愛ちゃんだが、出産後にママさんとなって現役復帰する意向を表明した。出産後に復帰して世界トップ10に入るぐらいに力を戻した選手っているのだろか。ちょっと記憶に無い。
2014年には骨折で公式戦から半年離れていたこともあるので、長期離脱でも競技復帰できると考えているのかもしれない。が、今の日本女子の豪華な顔ぶれを見ると2年後ぐらいに愛ちゃんが復帰したとしても3人枠はもちろん5人枠の代表を勝ち取るレベルに戻ることはちょっと考えづらい。
リオオリンピックではシングルス2枠に入った愛ちゃんだったが、あくまで2015年9月時点での世界ランキングで日本2番手であったという話であり、リオ本戦の時点で急激に力をつけていた伊藤美誠とどちらが力があったのかはわからない。あるいはサポートメンバーの平野美宇と比べてもどうだったか、という見方すらもできるだろう。
だからこそ先日の全日本までは一線で現役を続けて、伊藤・平野ら黄金世代の挑戦を受けて欲しかった。
というか、そうなるものだと思っていた。
しかしリオが終わってすぐに競技から離れたのは意外だったし、突然日本の卓球界から愛ちゃんがいなくなったことの喪失感というか、いや喪失感をさほど覚えないぐらいひっそりと姿を消してしまった事を自分は残念に思う。華やかな結婚会見はもちろん見たのだけれど、それを踏まえても自分の中ではいつの間にか愛ちゃんがいなくなった感じがしてならない。
だって、愛ちゃんである。
あの愛ちゃんである。
小学校に入る前からみんなが知っている愛ちゃんである。
サッカーで言えば中田とかカズとか、野球だったらイチローみたいなものである。
そういう選手がいきなり競技の一線を退けば卓球界全体として喪失感は覚えるには当然だろう。
いつも居た選手が居なくなるのだから。
愛ちゃんはサッカーにとっての中田・カズや野球のイチロー以上に、卓球という競技に限ればダントツで立役者だ。スーパースターだ。
愛ちゃん無くして今の卓球界は無いと言ってもいい。
その福原愛がいなくなっても特段何も変わらず卓球界が前に進んでいることに驚きを感じる。
ようするにそのぐらい今の卓球界、特に女子は充実している。
愛ちゃんが居なくなってもあまり影響が無いぐらいに充実した陣容を誇っているということなのだろう。
女王石川、次期エース候補の平野・伊藤の3人を軸として、虎視眈々と早田浜本加藤佐藤橋本も東京枠3つを狙っている。
男子で水谷が引退したらぽっかり穴が空くのとは違って女子は愛ちゃんの人気・実力を埋めるだけの陣容が揃っているということなのだろう。
それでも全日本で見たかった
でも、愛ちゃんにはリオの後すぐにフェードアウトするのではなく、全日本まではコンディションを保って石川や黄金世代とのケリを付けてから結婚生活に入って欲しかったと強く思う。恐らく優勝は厳しかったかもしれない。でもそれでいい。できれば平野・伊藤あたりと対戦して次の世代への引き継ぎのようなシーンが自分は見たかった。
これはもちろん個人的な願望・わがままです。
そうあるべきだ、なんてとても言えない。
サンデーモーニングで張本さん当たりは「そんなんじゃ駄目だ!」とか言いそうだけど、そりゃ余計なお世話ですよ。
あれだけ卓球界のために犠牲を払ってきた愛ちゃんの人生だから好きにやって欲しいし、今後の人生の方が長いんだし、男と違って女性は出産と激しい競技の同時進行は無理なんだし、本人と家族で話し合っての結論なのでしょう。
でも、上で書いたような寂しさを覚えるのも事実なんですよね。
今年の全日本で愛ちゃんを見たかった。
「私は日本のエースになりたい」有言実行の平野美宇
全日本卓球2017(2016年度)が終わった。
たったの一大会、たったの一試合でエースが入れ替わるなんてことがあるのだろうか。
私はあの決勝に限ってしまえば「ある」と言いたい。
5年近く日本女子エースとして君臨してきた石川佳純は今年24歳。
卓球選手としてはまだまだ何年も全盛期を維持できる年齢で、これからも石川時代は続くものと思っていた。
女子シングルス決勝は、攻撃的選手同士の凄まじい試合だった。
そして4-2というゲームスコア以上に平野美宇の強さが際立っていた。
ほんの一年ちょっと前まで絶対的女王石川をエースの座から引きずり下ろすとすればその一番手は平野の同級生の伊藤美誠だろうと誰もが思っていた。
平野美宇は幼少時より注目されていたが2015年を境に伊藤に完全に水をあけられ、リオオリンピックの代表の座も持って行かれてしまった。
伸び悩みという眼差しを持って平野を見ていた人は多かっただろう。
たったの一年で人はここまで変わる。
負けてもいいから攻める 石川佳純の原点
すごくいい記事なのでちょっと長めに引用させてもらいたい。
幼少時の石川親子の苦悩が垣間見れるとてもいい記事なのでぜひリンク先で全文も読んで欲しい。
石川佳純 異端の戦型の原点…貫いた超攻撃型「絶対に間違いじゃない」― スポニチ Sponichi Annex スポーツ
後に日本のエースになるサウスポーは、世間に定着する天才少女のイメージを否定した。
「小学校の時はずっと勝てなかったという思いしかないです。毎年悔しい思いばかりでした」
勝てなかった理由の一つが戦術にあったのかもしれない。卓球選手だった母は娘に攻撃卓球を教え込んだ。フォアハンドの強打、フォアドライブに徹底的にこだわった。結果が出ないことは、ある程度承知の上だった。
「世界で勝つには攻撃しかないと考えていました。でも、筋力がない子供の頃は、(縦回転の)フォアドライブは取りやすいボールなんです。非力ゆえ、そこまで強い回転をかけられないので、簡単に返される。でも、気にせずに攻めることを徹底させました」
理想は高い。だが、5年の時点では技術が追いつかず、天野に勝てなかった。前陣速攻の攻撃型だった天野は「一番やりたくない相手。うまい選手は他にもいましたが、気持ちは石川さんが一番強かった」という苦手意識を持っていたが、石川はミスもあって攻めきることはできなかった。
この敗戦をベンチで見守っていた母は、悔しさをかみしめながらある思いを強くした。今に続くドライブ攻撃型の戦型で日本一を必ず獲ると、心に決めたのだ。「フォアドライブを軸とした攻撃は絶対に間違いじゃない。このままやっていけば大丈夫だから、と佳純に言い聞かせました」
負けて2人に火が付いた。この後、「365日休みなしの練習をしました」と母は振り返る。それが実り、6年生になった翌年の同じ大会で初優勝。以後、国内タイトルをほしいままに手にし、世界へと羽ばたいた。
負けては泣いていた小学校の自分を、石川はいとしそうに振り返った。
「負けていいから攻めろと、母から言われていたのを覚えています。女子はナインオール(9―9)だと、突っつき(ちょんと返す)で守るのが主流でした。相手ミスを待ったほうが得点になる確率が高いからです。ナインオールでフォアドライブにこだわる私は、異端児だったと思います」
カットマンもいれば粒高もいる。バック表どころかフォア表もいる。裏裏でもさほど攻めずに相手のミスを待つ選手もいる。
卓球は多様性のスポーツで、それ自体は素晴らしいことだ。
体育館や卓球場に行ってみんながみんなドライブマンだとつまらない。
カットマンがいれば真っ先に声をかけて打たせてもらうし、フォア表の男子大学生がいれば話に花が咲く。
一歩も動かずに相手をきりきり舞いにさせるショートマンのおじいちゃんもいる。
繰り返すが、卓球は多様性のスポーツで、それ自体は素晴らしいことだ。
しかし、やっぱり卓球の王道は攻撃的なドライブマンだ。
それに異論を挟む人はいないだろう。
その中でも日本人女子として石川佳純の攻撃意識はずば抜けていた。
ラリーでは攻めて攻めまくる。
レシーブも守りに入らない。
女子選手ではかなり早くからチキータなどを取り入れていた。
新しい攻撃的技術をすぐに取り入れる姿勢は女子では際立っていた。
あの練習の鬼平野早矢香ですら舌を巻いていたインタビューを覚えている。
石川が中学生の頃の話である。
大手のマスコミはダブルエースとして石川・愛ちゃんを並び立てる報道も多かったけれど、少なくともロンドン以降の日本女子のエースは圧倒的に石川だった。大黒柱そのものだった。
やはり、エースは攻撃的なドライブマンであって欲しい。
ある「べきだ」なんて言わない。
これは個人的な思い、願望、希望だから。
石川が日本女子のエースで本当によかったと思う。
前述したお母さんの育て方が実を結んでよかったと心から思う。
小さい子がすぐに結果を出すなら安易な方法がいくらでもある。
中学から卓球を初めて運動神経が無い子はすぐにショートマンにさせられる。
部活内チーム事情もあるのかもしれないが、中学レベルだと粒は驚異的に効く。
すぐに結果が出るから、すぐに手を出してしまう。
それってどうなんだろうという思いが自分にはある。
卓球は決して中学3年だけの暇つぶしじゃなくて一生続けられる生涯スポーツである。
短絡的な動機で安易に戦型・用具を子供に押し付ける大人の姿勢には疑問を覚える。
幼少時は負けてもいいからフォアドライブ主戦の攻撃卓球を貫いて、そして花を咲かせた石川親子には大喝采を贈りたい。
そして、昨日の決勝。
攻撃的卓球で道を切り開いてきた女王石川の前に立つ平野美宇。
彼女もリスクを背負って、思い切って攻撃的な卓球スタイルに変貌を遂げ花を咲かせた16歳だ。
伸び悩み、コーチ変更、そして攻撃的スタイルへ
2014年時点で日本のトップ3は石川、福原愛、そして平野早矢香。
ロンドンで歴史的なメダルを獲得したこの3人がリオでもそのままメンバーになりそうな空気がその当時はあった。
平野美宇も順調に世界ランクも上げていはいたが、リオに出るのはまず無理だろうという気持ちが本人にはあったという。
しかし思わぬ伏兵が、それも一番身近なところから現れる。
伊藤美誠だ。
同い歳の伊藤美誠は2015年に入って驚異的な成績を残し、あっという間に世界ランクを上げていく。
もはや伊藤は代表入りするかどうかではなくてシングルス2枠を巡って石川・愛ちゃんと競うぐらいの選手になってしまった。
平野は当時「リオへのチャレンジはしてみよう、だめでも2020東京がある」という心構えだったとインタビューで述べていた。
明確にリオをその視野に入れていた伊藤とその点がまず決定的に違った。
そして卓球スタイルである。
当時の平野は繋ぐ意識があまりにも強すぎた。
同レベルや下には勝てても、上には全く通用しないスタイルの典型だ。
コーチの変更
2015年9月にリオの代表メンバーが決まり、平野は漏れた。
そしてその一ヶ月後にコーチが変わる。中澤コーチだ。
奇しくも石川佳純も育てたこのコーチへの変更は、協会やエリアカも平野の伸び悩みを目の当たりにし壁を壊して欲しいという思いがあったのではないか。
しばらくは従来のスタイルで練習を続けていたが、中澤コーチはこのままではいけないと極端なスタイル変更を平野に要求するようになる。
コーチが変わって二ヶ月後の世界選手権選考会で平野の卓球はぐちゃぐちゃだった。
何がしたいのかよくわからないプレーが多すぎた。
平野自身は肉体的な迷い以上に精神的な迷いがあったのだろう。
「本当にこれでいいの?」「今までの方がいいんじゃないの?」
そういう葛藤が間違いなくあっただろう。
リスクを背負ってスタイルを変えた結果、悪い方向にいこうとしているのではないか。
疑心暗鬼に陥っていた時期かもしれない。
2016年の大躍進
ようやく時計の針がちょうど一年前、つまり2016年1月の全日本選手権に達した。
平野はジュニアでは不覚をとるも一般の部では勝ち進み、準決勝では同級生の伊藤美誠とのみうみま対決を実現させ、伊藤を全く寄せ付けない圧倒的な勝利を飾る。「攻撃的なスタイルが中国選手とやっているようだった。今までとは別人だった。」と敗戦後に伊藤に言わせるほど。
決勝ではカメラフラッシュにナーバスになるなど力を発揮できたとは言い難いアンラッキーもあったが、石川の前に完敗。
技術・パワー・メンタル。力の差は歴然だった。
しかし伊藤を下し、最年少で決勝に残った平野はここで攻撃的なスタイル変更の成功に確信を持っただろう。
去年の大会こそが20年後ぐらいに平野が引退した後に原点だったと語るような大会になるかもしれない。
ワールドツアーで初優勝し、ワールドカップでは中国人選手が出ていないとはいえ伊藤などを直接下し初優勝。
中国のトップリーグにも参戦した。
世界ジュニアではぴりっとしなかったが、愛ちゃんがいなくなった女子卓球界において石川、伊藤、そして平野というトップ3が完全に確立されたと言っていい。
大躍進を遂げた2016年だった。
「私は日本のエースになりたい」
去年11月に行われた卓球王国のインタビューで平野はこう語った。
2017年2月号の表紙にもその言葉が採用された。
世間的にエースの座はまだまだ石川だろう。
世界ジュニアでの盤石っぷりを見ると伊藤は平野よりも安定感があるようには見える。
序列的にはまだ石川、伊藤、平野の順番かもしれない。
しかし、昨日の決勝。
あのゲームを見せつけられると女王交代、エース君臨と言わざるをえない。
あの石川が、攻撃的な石川が防戦一方でブロックに徹する場面が何度も見られた。
解説の宮崎氏も言っていたように平野の卓球の質は昨日に限って言えば石川を明らかに上回っていた。
かつて、2000年代の日本のエースは平野早矢香だった。
国際大会では愛ちゃんの強さが際立っていたが、国内では平野が無双していた。
全日本卓球での強さは格別のものがあった。
「エース平野」
平野美宇の登場により、またもやこの言葉が紙面を躍ることになるのだろうか。
世界で一番卓球が強いのは中国かもしれない。
でも、日本の卓球界は世界で一番面白いと自信を持って言える。
そんな日本女子卓球界をエースとして引っ張っていく平野美宇が見たい。