10分にも及ぶ歴代最長ラリーと女子カットマンの試合が長すぎ問題

10分にも及ぶ過去最長のラリーが2017カタールオープンで繰り広げられた。

「10秒でも十分激しいのに10分!?それは凄い!」

…などと卓球愛好家で思う人はいないでしょうね。
ああ女子カットマン同士の試合なんだろうとすぐに見当が付くからだ。

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カットマンも卓球の多様性を支える重要な戦型だし、対戦してて楽しいと感じるのは確か。
でも女子カットマンの試合のこういうのは正直どうなんだろうと思っている人は多いのではないか。

「選手は命がけでやってる」「人を楽しませるために選手は試合をやっているのではない」という考え方も深く頷く一方で、フルバージョンの後半などを見ると試合をしているようには見えない。ただの練習、それも強度の低い練習のようだ。コメント欄でも「よく訓練されたアマチュアチームのウォーミングアップを見ているよう」と言い得て妙なものが見られる。

試合時間が長い

まあ見てて面白いかどうかはさておき、試合時間が長くなりがちなのは各種大会でも問題になったりする。
特に女子カットマン同士の試合はいつまでも攻めない。
男子だとメンツとか色々と考えるのか、ダラダラせずにどっかで攻守問わずバシッと打ちたがってそこでラリーが途切れる。
あるいは中学生とか地区大会ぐらいのレベルだと技量的にそんなに続かないので適度に途切れる。

でも県大会上位や全国クラスだと、続けようと思えばいくらでも続けられるので女子はいつまでも終わらない。
そのテーブルだけ試合時間が伸びてしまって全体の進行に影響が出始めちゃうこともしばしば。

選手を責めるつもりは全く無いけれど、たまに運営側の苦悩を目の当たりにするとどうにかならないものかと思案してしまう。

androのラザントが全て廃盤という衝撃的なニュース

ティザー広告のように「重大発表」を予告していた、国内でも一部熱狂的ファンのいたドイツの卓球用具メーカーandroからなんと主力ラバーシリーズであるラザント(Rasant)シリーズが全て廃盤になるという衝撃的なプレスリリースが出された。

http://www.andro.jp/?post_type=event&p=3956
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マジですか…


ラザントと言えばandroの屋台骨を支えている主力ラバーシリーズ。
ぐっちぃ氏のWRMが一押しすることで初中級の卓球マニアの間で支持されてきた。
まさか全て廃盤になるとは予想だにしていなかったので驚き。

もしこのままラザントの後継が出ないとすると残るはプラクソンシリーズのみとなってしまうわけで、ちょっとandroのラバーのラインナップは歯抜けどころかガタガタになってしまう。

おそらく後継が出るのだと予想されるがどうなのだろう。
続報があれば更新したい。

以下どんどん更新中。

後継ラバー「ラザンター」発表

ラザンターという名前で後継シリーズが無事に発表された模様。
いや驚いた。ラザントが売れなさすぎてandro国内撤退か!?ぐらいに思ってしまいました。早とちり。

しかしこのネーミングはどうにかならないのか。
似すぎてませんかね。

ぐっちぃさんとandro社長さんとの小芝居

WRMと言えばandroにとって最重要の広告チャネルみたいなところがあるのでぐっちぃさんがラザントの廃盤および新シリーズのラザンターの存在を事前に知らなかったはずは無いんですが、まあその知らなかったという設定でandro社長のジョージさんと電話で話すという小芝居。

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ラザンターは2/7、2/8に卓球業者限定の試打会が行われるので春からの発売を前にレビューは見る事ができそうですね。
性能的にはラザントに比べて落ちるという事は無いでしょう。性能アップは間違いありません。

一番の問題は価格なんですよね。
正直ラザントは高すぎました。

トップ選手はあまり使っておらず、一般のアマチュア愛好家にとっては性能が未知数にも感じるラザントにそのお金を出すんだったら、トップ層にも定評があるファスタークとかにするよね、みたいな空気は確実にあったと思います。だからラザント使ってるのは日本では一部の中級のマニアに留まっていました。

TSPが取り扱っているとはいえXIOM(エクシオン)という一般的には認知度の低い韓国メーカーが作っているVEGA(ヴェガ)が初中級に爆発的に売れて地方の指導者からもマークVを差し置いて新入生に勧められるぐらい定着し、卓球王国の用具ランキングに確実に乗ってくるのに対して、androラバーが全くランクインしないのは何よりもまず価格の問題があったでしょう。プラクソンは安いけどスピード系テンションだし。スピンテンションで安いってのはそれぐらい大正義だった。

ということで「スピン系テンションで、最新のドイツ由来の技術を取り入れたラバーを、ヴェガに対抗できるだけの価格で出す」。
andro的にはこのような思惑があり新シリーズへの切り替えを断行したと思われます。

なので、少なくともラザンターの中でも初中級ターゲットにしたラバーは定価4000円台の前半で出してくるんじゃないかと。
中上級ターゲットレベルはエクシオンのオメガと同じく定価5000円超えてもいいと思うけど、とにかく初級レベルから使えるスピンテンションを実売3000円台半ばで出さないと、androラバーは今後も一部のマニアにしか受けない日陰な存在のまま。

さてどうなるか。
全ラインナップが定価5500円とかだと個人的にはずこーってなります。
旧ラザントビートあたりのラザンター版は絶対にヴェガDFと同じ定価4200円ぐらいで出さないと。

突然消えてしまった愛ちゃんに思うこと

リオオリンピック後に結婚を発表してそのまま卓球界からフェードアウトしてしまった愛ちゃんだが、出産後にママさんとなって現役復帰する意向を表明した。出産後に復帰して世界トップ10に入るぐらいに力を戻した選手っているのだろか。ちょっと記憶に無い。

2014年には骨折で公式戦から半年離れていたこともあるので、長期離脱でも競技復帰できると考えているのかもしれない。が、今の日本女子の豪華な顔ぶれを見ると2年後ぐらいに愛ちゃんが復帰したとしても3人枠はもちろん5人枠の代表を勝ち取るレベルに戻ることはちょっと考えづらい。

リオオリンピックではシングルス2枠に入った愛ちゃんだったが、あくまで2015年9月時点での世界ランキングで日本2番手であったという話であり、リオ本戦の時点で急激に力をつけていた伊藤美誠とどちらが力があったのかはわからない。あるいはサポートメンバーの平野美宇と比べてもどうだったか、という見方すらもできるだろう。

だからこそ先日の全日本までは一線で現役を続けて、伊藤・平野ら黄金世代の挑戦を受けて欲しかった。
というか、そうなるものだと思っていた。

しかしリオが終わってすぐに競技から離れたのは意外だったし、突然日本の卓球界から愛ちゃんがいなくなったことの喪失感というか、いや喪失感をさほど覚えないぐらいひっそりと姿を消してしまった事を自分は残念に思う。華やかな結婚会見はもちろん見たのだけれど、それを踏まえても自分の中ではいつの間にか愛ちゃんがいなくなった感じがしてならない。

だって、愛ちゃんである。
あの愛ちゃんである。
小学校に入る前からみんなが知っている愛ちゃんである。

サッカーで言えば中田とかカズとか、野球だったらイチローみたいなものである。
そういう選手がいきなり競技の一線を退けば卓球界全体として喪失感は覚えるには当然だろう。
いつも居た選手が居なくなるのだから。

愛ちゃんはサッカーにとっての中田・カズや野球のイチロー以上に、卓球という競技に限ればダントツで立役者だ。スーパースターだ。
愛ちゃん無くして今の卓球界は無いと言ってもいい。
その福原愛がいなくなっても特段何も変わらず卓球界が前に進んでいることに驚きを感じる。

ようするにそのぐらい今の卓球界、特に女子は充実している。
愛ちゃんが居なくなってもあまり影響が無いぐらいに充実した陣容を誇っているということなのだろう。
女王石川、次期エース候補の平野・伊藤の3人を軸として、虎視眈々と早田浜本加藤佐藤橋本も東京枠3つを狙っている。

男子で水谷が引退したらぽっかり穴が空くのとは違って女子は愛ちゃんの人気・実力を埋めるだけの陣容が揃っているということなのだろう。

それでも全日本で見たかった

でも、愛ちゃんにはリオの後すぐにフェードアウトするのではなく、全日本まではコンディションを保って石川や黄金世代とのケリを付けてから結婚生活に入って欲しかったと強く思う。恐らく優勝は厳しかったかもしれない。でもそれでいい。できれば平野・伊藤あたりと対戦して次の世代への引き継ぎのようなシーンが自分は見たかった。

これはもちろん個人的な願望・わがままです。
そうあるべきだ、なんてとても言えない。
サンデーモーニングで張本さん当たりは「そんなんじゃ駄目だ!」とか言いそうだけど、そりゃ余計なお世話ですよ。
あれだけ卓球界のために犠牲を払ってきた愛ちゃんの人生だから好きにやって欲しいし、今後の人生の方が長いんだし、男と違って女性は出産と激しい競技の同時進行は無理なんだし、本人と家族で話し合っての結論なのでしょう。


でも、上で書いたような寂しさを覚えるのも事実なんですよね。
今年の全日本で愛ちゃんを見たかった。

「私は日本のエースになりたい」有言実行の平野美宇

全日本卓球2017(2016年度)が終わった。

たったの一大会、たったの一試合でエースが入れ替わるなんてことがあるのだろうか。
私はあの決勝に限ってしまえば「ある」と言いたい。

5年近く日本女子エースとして君臨してきた石川佳純は今年24歳。
卓球選手としてはまだまだ何年も全盛期を維持できる年齢で、これからも石川時代は続くものと思っていた。

女子シングルス決勝は、攻撃的選手同士の凄まじい試合だった。
そして4-2というゲームスコア以上に平野美宇の強さが際立っていた。

ほんの一年ちょっと前まで絶対的女王石川をエースの座から引きずり下ろすとすればその一番手は平野の同級生の伊藤美誠だろうと誰もが思っていた。

平野美宇は幼少時より注目されていたが2015年を境に伊藤に完全に水をあけられ、リオオリンピックの代表の座も持って行かれてしまった。
伸び悩みという眼差しを持って平野を見ていた人は多かっただろう。

たったの一年で人はここまで変わる。

負けてもいいから攻める 石川佳純の原点

すごくいい記事なのでちょっと長めに引用させてもらいたい。
幼少時の石川親子の苦悩が垣間見れるとてもいい記事なのでぜひリンク先で全文も読んで欲しい。

石川佳純 異端の戦型の原点…貫いた超攻撃型「絶対に間違いじゃない」― スポニチ Sponichi Annex スポーツ

後に日本のエースになるサウスポーは、世間に定着する天才少女のイメージを否定した。

 「小学校の時はずっと勝てなかったという思いしかないです。毎年悔しい思いばかりでした」

 勝てなかった理由の一つが戦術にあったのかもしれない。卓球選手だった母は娘に攻撃卓球を教え込んだ。フォアハンドの強打、フォアドライブに徹底的にこだわった。結果が出ないことは、ある程度承知の上だった。

 「世界で勝つには攻撃しかないと考えていました。でも、筋力がない子供の頃は、(縦回転の)フォアドライブは取りやすいボールなんです。非力ゆえ、そこまで強い回転をかけられないので、簡単に返される。でも、気にせずに攻めることを徹底させました」

 理想は高い。だが、5年の時点では技術が追いつかず、天野に勝てなかった。前陣速攻の攻撃型だった天野は「一番やりたくない相手。うまい選手は他にもいましたが、気持ちは石川さんが一番強かった」という苦手意識を持っていたが、石川はミスもあって攻めきることはできなかった。

 この敗戦をベンチで見守っていた母は、悔しさをかみしめながらある思いを強くした。今に続くドライブ攻撃型の戦型で日本一を必ず獲ると、心に決めたのだ。「フォアドライブを軸とした攻撃は絶対に間違いじゃない。このままやっていけば大丈夫だから、と佳純に言い聞かせました」

 負けて2人に火が付いた。この後、「365日休みなしの練習をしました」と母は振り返る。それが実り、6年生になった翌年の同じ大会で初優勝。以後、国内タイトルをほしいままに手にし、世界へと羽ばたいた。

 負けては泣いていた小学校の自分を、石川はいとしそうに振り返った。

 「負けていいから攻めろと、母から言われていたのを覚えています。女子はナインオール(9―9)だと、突っつき(ちょんと返す)で守るのが主流でした。相手ミスを待ったほうが得点になる確率が高いからです。ナインオールでフォアドライブにこだわる私は、異端児だったと思います」


カットマンもいれば粒高もいる。バック表どころかフォア表もいる。裏裏でもさほど攻めずに相手のミスを待つ選手もいる。
卓球は多様性のスポーツで、それ自体は素晴らしいことだ。

体育館や卓球場に行ってみんながみんなドライブマンだとつまらない。
カットマンがいれば真っ先に声をかけて打たせてもらうし、フォア表の男子大学生がいれば話に花が咲く。
一歩も動かずに相手をきりきり舞いにさせるショートマンのおじいちゃんもいる。

繰り返すが、卓球は多様性のスポーツで、それ自体は素晴らしいことだ。


しかし、やっぱり卓球の王道は攻撃的なドライブマンだ。
それに異論を挟む人はいないだろう。

その中でも日本人女子として石川佳純の攻撃意識はずば抜けていた。
ラリーでは攻めて攻めまくる。
レシーブも守りに入らない。
女子選手ではかなり早くからチキータなどを取り入れていた。
新しい攻撃的技術をすぐに取り入れる姿勢は女子では際立っていた。
あの練習の鬼平野早矢香ですら舌を巻いていたインタビューを覚えている。
石川が中学生の頃の話である。

大手のマスコミはダブルエースとして石川・愛ちゃんを並び立てる報道も多かったけれど、少なくともロンドン以降の日本女子のエースは圧倒的に石川だった。大黒柱そのものだった。

やはり、エースは攻撃的なドライブマンであって欲しい。
ある「べきだ」なんて言わない。
これは個人的な思い、願望、希望だから。
石川が日本女子のエースで本当によかったと思う。
前述したお母さんの育て方が実を結んでよかったと心から思う。

小さい子がすぐに結果を出すなら安易な方法がいくらでもある。
中学から卓球を初めて運動神経が無い子はすぐにショートマンにさせられる。
部活内チーム事情もあるのかもしれないが、中学レベルだと粒は驚異的に効く。
すぐに結果が出るから、すぐに手を出してしまう。

それってどうなんだろうという思いが自分にはある。
卓球は決して中学3年だけの暇つぶしじゃなくて一生続けられる生涯スポーツである。
短絡的な動機で安易に戦型・用具を子供に押し付ける大人の姿勢には疑問を覚える。

幼少時は負けてもいいからフォアドライブ主戦の攻撃卓球を貫いて、そして花を咲かせた石川親子には大喝采を贈りたい。


そして、昨日の決勝。
攻撃的卓球で道を切り開いてきた女王石川の前に立つ平野美宇
彼女もリスクを背負って、思い切って攻撃的な卓球スタイルに変貌を遂げ花を咲かせた16歳だ。

伸び悩み、コーチ変更、そして攻撃的スタイルへ

2014年時点で日本のトップ3は石川、福原愛、そして平野早矢香
ロンドンで歴史的なメダルを獲得したこの3人がリオでもそのままメンバーになりそうな空気がその当時はあった。
平野美宇も順調に世界ランクも上げていはいたが、リオに出るのはまず無理だろうという気持ちが本人にはあったという。

しかし思わぬ伏兵が、それも一番身近なところから現れる。
伊藤美誠だ。

同い歳の伊藤美誠は2015年に入って驚異的な成績を残し、あっという間に世界ランクを上げていく。
もはや伊藤は代表入りするかどうかではなくてシングルス2枠を巡って石川・愛ちゃんと競うぐらいの選手になってしまった。

平野は当時「リオへのチャレンジはしてみよう、だめでも2020東京がある」という心構えだったとインタビューで述べていた。
明確にリオをその視野に入れていた伊藤とその点がまず決定的に違った。

そして卓球スタイルである。
当時の平野は繋ぐ意識があまりにも強すぎた。
同レベルや下には勝てても、上には全く通用しないスタイルの典型だ。

コーチの変更

2015年9月にリオの代表メンバーが決まり、平野は漏れた。
そしてその一ヶ月後にコーチが変わる。中澤コーチだ。

奇しくも石川佳純も育てたこのコーチへの変更は、協会やエリアカも平野の伸び悩みを目の当たりにし壁を壊して欲しいという思いがあったのではないか。
しばらくは従来のスタイルで練習を続けていたが、中澤コーチはこのままではいけないと極端なスタイル変更を平野に要求するようになる。

コーチが変わって二ヶ月後の世界選手権選考会で平野の卓球はぐちゃぐちゃだった。
何がしたいのかよくわからないプレーが多すぎた。
平野自身は肉体的な迷い以上に精神的な迷いがあったのだろう。

「本当にこれでいいの?」「今までの方がいいんじゃないの?」
そういう葛藤が間違いなくあっただろう。

リスクを背負ってスタイルを変えた結果、悪い方向にいこうとしているのではないか。
疑心暗鬼に陥っていた時期かもしれない。

2016年の大躍進

ようやく時計の針がちょうど一年前、つまり2016年1月の全日本選手権に達した。

平野はジュニアでは不覚をとるも一般の部では勝ち進み、準決勝では同級生の伊藤美誠とのみうみま対決を実現させ、伊藤を全く寄せ付けない圧倒的な勝利を飾る。「攻撃的なスタイルが中国選手とやっているようだった。今までとは別人だった。」と敗戦後に伊藤に言わせるほど。

決勝ではカメラフラッシュにナーバスになるなど力を発揮できたとは言い難いアンラッキーもあったが、石川の前に完敗。
技術・パワー・メンタル。力の差は歴然だった。

しかし伊藤を下し、最年少で決勝に残った平野はここで攻撃的なスタイル変更の成功に確信を持っただろう。
去年の大会こそが20年後ぐらいに平野が引退した後に原点だったと語るような大会になるかもしれない。

ワールドツアーで初優勝し、ワールドカップでは中国人選手が出ていないとはいえ伊藤などを直接下し初優勝。
中国のトップリーグにも参戦した。
世界ジュニアではぴりっとしなかったが、愛ちゃんがいなくなった女子卓球界において石川、伊藤、そして平野というトップ3が完全に確立されたと言っていい。

大躍進を遂げた2016年だった。

「私は日本のエースになりたい」

去年11月に行われた卓球王国のインタビューで平野はこう語った。
2017年2月号の表紙にもその言葉が採用された。

世間的にエースの座はまだまだ石川だろう。
世界ジュニアでの盤石っぷりを見ると伊藤は平野よりも安定感があるようには見える。
序列的にはまだ石川、伊藤、平野の順番かもしれない。

しかし、昨日の決勝。

あのゲームを見せつけられると女王交代、エース君臨と言わざるをえない。
あの石川が、攻撃的な石川が防戦一方でブロックに徹する場面が何度も見られた。
解説の宮崎氏も言っていたように平野の卓球の質は昨日に限って言えば石川を明らかに上回っていた。


かつて、2000年代の日本のエースは平野早矢香だった。
国際大会では愛ちゃんの強さが際立っていたが、国内では平野が無双していた。
全日本卓球での強さは格別のものがあった。

「エース平野」

平野美宇の登場により、またもやこの言葉が紙面を躍ることになるのだろうか。

世界で一番卓球が強いのは中国かもしれない。
でも、日本の卓球界は世界で一番面白いと自信を持って言える。

そんな日本女子卓球界をエースとして引っ張っていく平野美宇が見たい。

さあ2017も最終日

ついに2017全日本卓球選手権も最終日
残すはたったの4試合になってしまった
寂しい
寝る前に決勝の展望を書いておこう
ちなみに全日本は2016年度と書くのが普通なんだけど、どうも自分は年度って慣れないので2017表記してます

女子

女子の4強は石川・平野・橋本・佐藤
準決勝でみうみま対決が実現しなかったのは残念だが石川平野は順当に勝ち上がってくれた

対するカットマン勢の橋本佐藤が番狂わせを起こせるか
石川はカット打ちがそんなに得意じゃないこともある

それでも女子の決勝は石川vs平野になって欲しい
オリンピック後初の全日本、華のある女子の決勝
絶対女王と次期エース候補のドライブ対決をぜひ地上波で流して欲しい!

カットマンの試合も卓球やってる人からすると面白いんだけど
ライト層にはやっぱりイマイチ受けが悪いと思う
リオオリンピックで石川・愛ちゃんのシングルス、団体準決勝といずれもカットマンに負けてるしね笑

攻撃的なプレースタイルへと変貌した平野美宇が去年のリベンジを果たして世代交代を印象づけるか
はたまた石川時代は当分揺るがないのか

男子

丹羽・吉村兄・張本・大島が早々に破れてちょっと残念な男子

そんな中で格の違いを見せつける水谷が圧倒的に王座に近い状況
残った吉村弟・平野・吉田海偉ら3人が水谷に勝っている状況を予想できないぐらい強い…

2005年度チャンピオンの吉田海偉が大爆発してまさかの優勝あるか(優勝しても台には上がらないでください)
偉大な姉がいなくなった全日本で平野のまさかの優勝あるか
兄の影に隠れがちだった吉村弟のまさかの優勝あるか

平野と吉村が優勝したら初の兄弟制覇じゃないかな!?
これはこれで見てみたいけど、、、、

…無いかなー

そのくらい強すぎるわ水谷さんは

最近の全日本シングルスチャンピオンはこちら
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全日本卓球選手権大会 - Wikipedia

水谷さん強すぎ。
でもその水谷時代が始まる直前に二連覇してた吉田海偉が優勝したら劇的だなあ。
そんな展開も見てみたい。

15時から地上波NHKで決勝を放送、準決勝はBS1でその前から放送してます。
ぜひ皆さん見てください!

伊藤美誠5回戦で敗れる!丹羽、吉村兄も6回戦で撃沈

5回戦で安藤みなみ(専修大)に2-4で破れ、伊藤の全日本はたったの二試合で終わった。
今のところ大会最大の番狂わせでしょう。
順調に勝ち進めば準決勝で去年と同じくみうみま対決が実現していただけに残念。
今年はジュニアはもちろんのことダブルスにも出ずにシングルスにかけていただけに、本人はなんともいえない喪失感があるでしょうね。



早田ひな、加藤美優も同じく破れ、いわゆる黄金世代で残ってるのは平野一人になってしまった。

男子の方も丹羽・吉村のリオ組があっさり6回戦で撃沈。マツケンはランク入りできず。
メディア的には決勝でリオの団体戦メンバー同士が対戦してくれたほうがライト層に報道もしやすかったでしょうね。

張本は男子ダブルスで破れ中学生になって初の全日本終了。
ジュニア・一般で早々に破れほろ苦い記憶が残る大会となってしまいました。
これでポスト水谷と呼ばれる選手はほぼ全部壊滅。

去年の世界選手権団体メンバーは男子は水谷、女子は石川以外は全滅しちゃいました。
全日本、厳しい!

今後の注目点としては

  • 女子決勝は石川vs平野と去年の再戦なるか

去年はコーチが変わった直後でスタイル変更に苦しみながらも準決勝で伊藤を破り決勝に進出した平野。
フラッシュにナーバスになり決勝ではあまりいいところなく石川の3連覇を許したので今年はリベンジして欲しい。

  • 女子はカットマンがたくさん残ってる

橋本、佐藤、石垣とカットマンがずらり。カット打ちがあんまり得意じゃない石川を破る番狂わせあるか

  • 男子は水谷vs(失礼ながら)その他大勢

みたいな感じになってしまうほど水谷が抜けている。

  • ペンの星・吉田海偉

2004、5年と連覇した吉田海偉。その後は2006年から10年近くペンは優勝できずにいる。というか水谷が強すぎて…。ペンの星・吉田海偉まさかの優勝あるか。

という感じでしょうか。
正直自分が期待した展開では無さすぎて、がっくりとまではいかないけど寂しい感じになってきてる。
でもこれがスポーツ。

卓球王国ゆうさん

日本で一番卓球の用具が好きな人なんじゃないでしょうか。
卓球王国の名物編集者ゆうさん。

今は全国津々浦々から様々な用具を引っさげて「ローカルスター」が集う全日本卓球大会の真っ只中。
ゆうさんが一年で最も楽しそうに仕事をしてそう。

そんなゆうさんの「用具のこだわり」という特集が面白いです。
用具のこだわり by ゆう - 卓球王国WEB

国際大会だと特に男子はシェーク裏裏だらけ。
中ペンがたまーーにいる程度で日ペンはほぼ絶滅。

そんな中、国内最大の大会とはいえ全日本では日ペンもいるし男子でバック表・粒も出場するわで、ある意味用具好きにとってはたまらない大会ではないでしょうか。


プレイヤー目線(ちょっと大げさ)で言わせてもらえれば癖のある用具を相手にするとちょっと嫌です。

だからといって裏テンションだらけになってしまった卓球界もそれはそれでつまらない。
今ぐらいの多様性がベストなのかもしれませんね。

今後ますますペンが減るのは間違いないです。
男子ジュニアのトップ層はほぼ素材シェーク+両面テナジー。
多様性0。

彼らがもう少し歳をとってメインストリームになった時、ゆうさん的にはつまらない状況になってしまうかもしれませんね。

…ってところで記事を締めようかと思ったけれど、そういえば卓球用具界には爆弾級の出来事がここ数年で確実にやってくることを思い出しました。

「ラケットの素材完全自由化」

これやばいですよね。
絶対やばい。
個人的には反対。
今のバランスがちょうどいいですよ。

素材自由化になればオールカーボンなどのラケットも許されることになります。
それが実用的かどうかはさておき可能になる。


これ、ゆうさん的には美味しい時代でしょうねえ笑
ラケットに木材を一切使わなくてもいいわけですから、「そんなものでラケット作るの!?」みたいなメーカーが現れるかもしれません。

30年後の王国用具特集には現代の我々からすると、ぶっ飛んだ文字が並んでるかもしれません。

  • 「ラケットはオールシルバーの時代が来た!しなりと反発のバランスが最高」
  • レアメタルをふんだんに使った高級ラケット発売。価格35万円」
  • 「10年ぶりにオール木材ラケットが発売、オールドファン歓喜
  • 「7枚合鉄の定番が進化」
  • 「ラケット内部を真空にして打球感がよくなった」
  • 「骨を使ったラケットが発売」

とかね。